表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第5章 宿願
70/135

準備は密やかに1

私が日本に戻れたのは、黒田の連絡から一カ月後のことだった。

人に聞かれるとまずい話ばかりなので、防音結界を張った私の部屋で黒田と落ち合った。


黒田に預けていた簡易型アイテムBOXは全て容量一杯になっており、国内拠点の建築も指示通り進み、海外の拠点も土地の確保が済んだとのことだった。


「あなたに頼んで正解だったわ。

 きっと私ひとりじゃ無理だったわ。」


「そりゃよかった。」


ニカッと笑う黒田の笑顔の破壊力にもちょびっとだけ慣れてきた。


「あの分厚い計画書通り、ありとあらゆる物資を調達中だ。

 とはいえ、完全に時間停止するアイテムBOXじゃなかったから、まずは主に腐ったり

 しない日用品を集めた。

 あ、安心しろ。

 チョコレートだけは計画書通りに集めている。」


そう言って預けていた簡易型アイテムBOXを取り出した。


「ありがとう。 

 とりあえず私のアイテムBOXに移すわね。」


簡易型アイテムBOXを下に向け、重力に従ってあらゆる物資が落下し、空中で消える。


「異世界召喚ボーナスのアイテムBOXは、容量の制限もなくて、時間も完全に停止する

 んだろ?

 ラノベなんかを読んでるときはあまり気にしなかったが、そのスキルだけでかなりのチ

 ートだな。」


「そうね。

 物流に大革命というか、大打撃を与えることもできるし、悪用すれば盗み放題、武器持

 ち込み放題、証拠隠滅し放題よ。」


「だよなぁ。」


「魔王軍との戦いにも大いに役立ったわ。

 ポーションを即時に取り出すことができるし、兵站は気にしなくていいし、水や土なん

 かを大量にストックして、いざという時の防壁にしたりしていたわね。」


「どんなスキルも使い方次第ってやつか。」


「どうしたのいきなり?

 もしかして魔法を使ってみたくなったとか?」


どうやら図星だったようだ。


「まあ、な。

 簡易型アイテムBOXや通信用魔道具なんてものを間近に見て、使っちまったせいだ

 な。

 あと、1年後の侵攻を女神とやらが本気で防ぎたいなら、地球人全員に何かしら魔法が

 使えるような祝福を与えてくれてもいいじゃねえかって思ってな。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ