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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第1章 奇縁
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合縁奇縁といいますが、奇縁でしょう

日本は平和だな、としみじみ思う。

普通に暮らしていれば、命を狙われることも、誰かを殺すこともめったに起こることじゃない。

異世界から帰ってきたばかりのころは、常時警戒常時戦場の癖が抜けなくて、変な目で見られていたな。

「いや、変な目で見られていたのはいつものことか。」

つい独り言ちる。

私は異世界に行く前から、よく冷たい人だと言われていた。

自分でもその自覚はあったが、2度の異世界召喚を経験して、やっぱり自分は冷たい人間なのだと実感した。

某1名を除き、召喚された人達は皆、善良な人達だった。

常に他人にやさしく、情にあつく、正義感があり、人に手を差し伸べることを躊躇しない人ばかりだった。

全ての人がそうであるとは思わないが、そんな彼らと自分を比べると、自分の考え方は根本から違っていた。

私は、私と私が大事だと思う人だけが大切で、それ以外は割と“どうでもいい”のだ。

“どうでもいい”人達から助けを求められても、無条件で手を差し伸べたりはしない。

私が手を差し伸べるのは、助けないことで私が何かリスクを背負わなければならなかったり、助けて何か利益を得るときのどちらかだ。

かつて2度異世界の為に戦ったが、どちらも最初はやる気がなかった。

ただ魔法や異世界に興味があったから、自分に害のない範囲で好奇心を満たす程度に戦っていた。

でも、何年もその世界で生きているうちに、パーティーの皆や異世界の皆が私の大事な人になっていった。

私は、自分の大事だと思うものに対しては、執拗に大事にするし、それを害そうとする者には、全力で対抗する。

だから魔王軍との戦いに身を賭して、自爆魔法なんてものも使ってしまったんだ。


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