計画を立てる2
「いやいや、気にするな。
さっきので十分だ。
で、そのひっそりと生きるってやつが2つ目のお願い事につながるんだな?」
「そうよ。
誰にも見つからずに隠れ住むために必要な食料や日用品を私の代わりに集めてほしいの。
もちろん代金は私が払うわ。」
「貢献度ポイントショップとやらには食料は売ってないのか?」
「今の段階では地球の食料や日用品は取り扱ってないみたい。
これは私の勝手な予想なのだけれど、今私が当たり前に購入できるものはショップにないみたいの。
だから、異世界の食料や日用品はショップに並んでいるのだけれど、正直、味も品質も地球産に比
べるとかなり劣るのよね。」
異世界モノあるあるだが、私が行った異世界も例に漏れず、地球と比べてレベルが低い食事が多かった。
味は薄めでレパートリーが少なく、よく言えばオーガニックでヘルシー。
ジャンクフードはなく、お菓子は超高級品。
米も醤油も生卵もない。
おかげで、どちらの世界でも米を探し回ってなんとか栽培にこぎつけ、魚醤らしきものをブラッシュアップし、鳥型の魔獣を家畜化したものだ。
「それにね、2度異世界に行って、もうそれはそれは試行錯誤を重ねたけれど、どうしても納得がいくものが作れなかったのよ。」
「何がそんなに上手くいかなかったんだ?」
「チョコレートよ!チョコレート!
カカオらしき植物はあったけど、どうしてもチョコレートにならなかったの!」
「チョコレート、そんなに好きなのか?」
「1日1個は食べてるわ。
むしろ、1日1個の制限を設けないと無限に食べちゃうのよ・・。」
「・・ぷっ、あっはははは。」
黒田がこらえ切れないといった様子で声をあげて笑い出した。
「あはは、拳銃にもヤクザにもビビらない勇者サマは、ちょ、チョコレートがお好きか。」
「なによ、そんなに笑うことないじゃない!
言っておくけど、今回お願いする物資集めにチョコレートも入ってますからね。
ありとあらゆるメーカー、チョコレート専門店、ケーキ店もろもろ、大量にお願いするからね!」
「くく。ああ、まかせろ。」
私がチョコレートホリックなのがよほど面白かったらしく、黒田はその後も思い出し笑いが止まらなった。