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プロローグ
最後に残った手段は、私の自爆魔法だけだった。
異世界の為に命張るなんて馬鹿馬鹿しいと思うでしょ?
でもね、7年もいたらそこが自分の世界になるし、守るべきものになるんだよ。
全員に目配せをすると、皆頷いてくれた。
皆、自分の命を犠牲にしてでも、この世界を救うことを選んだんだ。
そして、聖女の命を削って私の魔力を回復させて、勇者と聖騎士が捨て身で道を切り開いて、魔王の目の前にたどり着いた時にはもう五体満足じゃなかった。
そこからはよく覚えてない。
自爆して魔王城ごと吹っ飛ばした・・と思う。
気が付いたらアパートの部屋のベッドの上だった。
あの世界は救えたのだろうか。
私以外のみんなも私のように元の世界に戻れたのだろうか。
そんな疑問がずーっと残っている。