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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第3章 貢献度ポイントショップ
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鬱憤を晴らす6

「このことが知られたら、クビでしょうね。」


パワハラが生きがいのような男が会社をクビになる。

きっと、こう言ってくるはず。


「!そ、それだけはどうか!!

 何でもしますから、会社には言わないでください!」


想像通りの言葉に、笑いがこみ上げる。

きっと私は醜悪な顔でこの愚かな男を見下していたに違いない。


とその時、扉の向こうで影が動いた。

いつもなら課長の怒鳴り声が廊下まで響いているのに、全く何も聞こえないことを不審に思ってか、どうやら誰かが様子を見に来たようだ。

私からは扉の向こうの誰かの様子を窺えるが、背を向けた状態の課長には何も見えていない。

せっかくだ。利用させてもらおう。


「ふん。まあいいわ。私の口からは言わないでおくわ。」


その言葉に課長の顔がぱあっと明るくなる。


「あ、ありがとうございます!」


「はいはい。もういいから椅子とテーブルを元に戻してくれる?」


「もちろんです!」


この地獄から解放される見込みが立ち、喜び勇んでなぎ倒した椅子とテーブルをもとあった位置に戻し始めた。


「終わりました!」


「お疲れ様。」


私はそう言いながら課長の頭から初級ポーションを浴びせかける。

課長は何をされるのかと一瞬身構えたが、追加で負わせた傷が治っていく様をみて驚いているようだった。

私は傷やスーツがもれなく治っていることを確認すると、音を遮断するために使用した魔道具を取り出した。


「音遮断結界解除」


魔道具を取り出しそう唱えると、今度は赤い光が魔道具からあふれ出し、会議室を覆うように広がるとふっと消えた。

これで元通り会議室の中の音は外に聞こえるようになった。


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