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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第2章 嚆矢
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三度目の世界は救いません

「世界中から求められ、馬車馬のように働いて、得るのはわずかな感謝だけ?

 はは。ブラックな会社で仕事してる方がマシかも。

 少なくとも命の危険はないし、直接罵ってくるのはあのクソ上司だけだもんな。」


その瞬間、わずかながらにあった使命感が立ち消え、気持ちが一気に冷めていくのを感じた。

どうせ勇者は私以外にもたくさん存在するのだ。

私だけが頑張る必要はない。

ただ、地球が魔王軍の手に落ちてしまっては困る。

地球は魔族に支配され、勇者は皆殺しにされ、人間は迫害され、奴隷となり、食料となるだろう。

生態系や気候も変わり果ててしまうかもしれない。

「はあ、人間側に付くにしろ、魔族が勝利するにしろ、どちらにせよ明るい未来は待ってないってことかぁ。」

明日まで30分を切った。

どうしようか。




答えを出すのにそんなに時間はかからなかった。

この世界は私に対して優しくなかった。

つらいことばかりが私の人生を占めていた。

私はこの世界が好きではない。

むしろ、嫌いだ。

守りたいと思うような大切な存在もいない。

この世界を救う価値を見出せない。



「だから、私は地球を、3度目の世界は救いません!

 魔王軍に見つからないように、1人でひっそり生きていくことにします!」


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