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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第2章 嚆矢
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黒い靄1

情報が多すぎて混乱しているが、とりあえず整理しよう。


まず、明日(といってももう一時間もないが)になった瞬間、勇者としての能力が再度付与される。

付与・再配布されるのは、武器、防具、アクセサリ、アイテム、職業、スキル、ステータスと異世界召喚ボーナス。

魔法も使えるようになるだろう。

それから、貢献度ポイントを利用したショップなるものも同時に導入される。

これは明日になってみなければ詳細がわからない。

そして、1年後の明日、異世界からの侵攻が始まる。


「わかっているのはこれくらいか。

それから想像だけど、地球にはおそらく3つ以上の勇者パーティーが存在している。

貢献度ポイントは、過去の行動をポイント化しているから、増える可能性は低い。

まあ、私のポイントはちょっと多すぎるような気がするけれど・・」

メッセージを見返しながら取りこぼした情報がないか確認する。

「ポイントは両者の合意があれば譲渡可能・・・

 余計な火種にならなきゃいいけど。

 とりあえず自分の貢献度ポイント数は秘密にしておこう。」

魔王軍は確かに恐ろしいが、真に恐ろしいのは同じ人間だと身に染みて分かっている。

「んー・・あとは明日になってみないとわからないことだらけね。

 それにしても、2度目の異世界の魔王軍ですら難敵だったのに、その上の敵が攻めてくるのか。」


わざわざ記憶の糸を手繰らずとも、2度目の異世界で魔王城へ攻め込んだ時の記憶は数年たった今もすぐに思い出すことができる。

勇者パーティーのみならず、騎士団、魔法兵団、そして魔王軍側にも大量の犠牲者が出た戦いだった。

魔王軍側は地の利を生かしたあらゆるトラップを仕掛け、適所に適切な人材を配置し、万全の状態で私たち勇者軍を待ち構えていた。

対して私たち勇者軍は、それを見越して人間側の勢力ほぼすべてを投入し魔王城へ攻め込んだ。

勇者を魔王のもとにたどり着かせるため、勇者を魔王のもとにたどり着かせないため、両軍合わせて数十万の命が消えた戦いだった。

目を閉じると、自爆魔法を使うと言ったときの皆の顔が浮かぶ。

誰も反対せず、むしろ一番つらい役回りをさせてごめんと言ってくれた。

皆も巻き込まれることが分かっていたのに・・。



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