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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第2章 嚆矢
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メッセージ4

「・・・思い出したくないことを思い出しちゃったな。」


パチンと頬を叩いて沈んでしまった気持に喝を入れる。

立ち止まっている時間はない。

このメッセージにはもう一つ検討するべき点があるのだ。


メッセージには≪勇者の方々から、苦情があったため≫とあるが、私の記憶では、面と向かって女神へ苦情をぶつけたのはあのクソ勇者だけだった。

まあ、心の中の苦情も含まれるなら、メッセージ通り勇者の方々から苦情がでているだろうが、やはり、ここは、

「勇者経験者は、私たち以外にも存在すると考えるほうが妥当かしら。

それもそうよね。魔王軍に侵略された異世界がいくつあるのか知らないけれど、たった2つというのは少ないでしょう。」

それならば、だ。

事前告知の内容その2の重みが違ってくる。

先の予測通りなら、地球には少なくとも3つの勇者パーティーが存在することになる。

1つの世界を1つのパーティーで救済していたのだから、単純に3倍以上の戦力だ。

多方面展開もできる。

さらに、地球は科学が発展した世界。

国々にはそれぞれ軍隊があり、一国の軍事力で1度目の異世界の魔王軍程度なら余裕で倒せる。

2度目の異世界の魔王軍も、最強と名高いあの国の軍隊と勇者パーティー、騎士団、魔法兵団が密に連携できれば、もっと少ない被害で、自爆魔法なしで倒せていただろう。

今、地球に異世界から侵攻があれば、世界中の軍隊が黙っているはずがない。

異世界でも各国の魔法兵団と騎士団が魔王軍と戦ったのだから、地球だけ地球の戦力が参戦不可というわけはないだろう。

加えて最低3つの勇者パーティーが対峙する。

それなのに事前に告知し、それなりの準備をしなければ勝てない脅威度SSクラスの魔王軍。

「どれだけ強いの・・・

 それとも、もしかして・・・」

嫌な予感が体を走る。

震える指で次のメッセージを開く。


≪1の理由に対する謝罪として、異世界で獲得されました武器、防具、アクセサリ、アイテムを、地球へ帰還される直前に装備中の物に限り、アイテムBOXへ再配布いたします

職業は、異世界召喚の際に付与いたしました職業を再度付与いたします

スキル、ステータスにつきましては、獲得スキルと最終ステータスをそのまま付与いたします

なお、異世界召喚ボーナスも以前同様に使用可能となります

これらの配布、付与は全て、20XX年7月15日午前0時に行います≫


「よかった。

 こっちにはダンジョンも何もないから、聖剣やら杖やらどうやって手に入れるのかと思った。」

魔王軍と対峙していた時の装備、アイテム、スキル、ステータスがそのままなら、すべてほぼカンストしていたはず。

でも、アイテムBOXに入れていた予備の装備品が再配布されないのは痛手だな。

「・・・ちなみに私はどっちの世界が基準になるのかしら?」

しかしそのメッセージにはそれ以上のことは何も書かれていない。

しかたがないので、次のメッセージを読むことにした。


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