メッセージ2
≪音声による本人確認・・・成功しました
メッセージを表示します≫
機械音声に似た声がそう告げると、目の前に見覚えのあるマークが現れた。
「これ、は、まさかメッセージ機能?」
空中に現れたのは封筒を模したマーク。
それは異世界召喚ボーナスの1つである、メッセージ機能のアイコンによく似ていた。
ちなみに異世界召喚ボーナスとは、よくある異世界転生3点セット・・鑑定、アイテムBOX、言語理解に、このメッセージ機能と自動マッピング機能を追加した計5点のスキルセットのことだ。
メッセージ機能は、他の勇者とメッセージをやり取りすることができる機能である。
メッセージは口頭で入力することも可能で、すぐに相手に届く。
受取人として指定された人物か、受取人が許可した人物以外は閲覧できない。
敵のトラップに引っかかって離れ離れになったときや、遠く離れた場所でそれぞれの任務を行うとき、日ごろの雑談をしたい時などかなり重宝した覚えがある。
それが、なぜか目の前に表示されている。
以前使用していた時に通知音は鳴らなかったし、本人確認が成功したというメッセージも流れなかった。
「いったい、誰からのメッセージなのかしらね。」
悩んでいても仕方がない。意を決してメッセージを開くことにした。
≪楠 月桂様へ重要なお知らせ≫
まるでどこかのダイレクトメールのような書き出しだった。
≪このメッセージは、異世界に召喚された経験のある方全員にお送りしております
きたる20XY年7月15日にこの世界(太陽系第三惑星地球)と、異世界との間に大いなるゲートが開
きます
ゲートからは魔王率いる魔王軍が侵攻予定です
つきましては、皆様に地球を守るべく今一度勇者としての力を付与いたします≫