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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第8章 それぞれの戦い
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魔王軍作戦会議3

ウァラテリアの声にノクィエが反応する。

右後方へ手をかざし、凍結魔法を放った。


〈凍てつけ〉


ノクィエの魔法により、逃げ出そうとした侵入者は一瞬で氷漬けにされた。


「諜報部隊長、見覚えはありますか?」


警戒を続けたままギエルグが問いかける。

入り口で侵入者の出入りを見張っていた諜報部隊長が駆け寄り、氷漬けにされた侵入者の見分を始めた。


「・・・彼女は勇者らしき人物として我々が監視していた、エミリー・ブラウンです。」


「ノクィエ、殺してはいないな?」


「は、魔王様。

 殺しておりません。

 氷漬けにして一時的な仮死状態にしております。」


「よし。

 勇者を殺すのはまだ早い。

 魔法やアイテムボックスを使われないよう、常時睡眠薬を投与し眠らせておけ。

 もちろん、魔法封じを施すことを忘れるな。」


「御意。」


魔王の指示を受け、ノクィエが氷漬けの勇者と共に会議室を辞した。


「ギエルグ、会議を続けよ。」


「承知いたしました。

 では、諜報部隊長、報告の続きを。」


何事もなかったかのように会議は続く。



捕まってしまったエミリーという名の顔も知らぬ勇者。

おそらくはアサシンやシーフといった潜入に特化した職業だったのだろう。

それでもあの一瞬で見破られ、見つけられ、拘束された。

魔王軍の実力は、アスガルドの魔王軍よりも上だろう。


「・・まさか、シーフの僕が盗聴器を使う日がくるとはね。」


会議の当日は実力者が集まるが、会議の日でなければ発見されるリスクはぐっと減る。

魔法に対する防御態勢が整っている魔王軍だが、文明の利器に対する防御態勢には付け入るスキがあった。


アトラスは、日本の勇者・勇者らしき人物の中に澪の名がないことを祈りつつ、潜伏を続けるのだった。


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