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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第8章 それぞれの戦い
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実験開始1

「そうそう、それでいいの。

 大人しくしていれば痛いだけで済むわよ。

 じゃあまずは、ポーションの効果の確認から始めましょう。」


アイテムボックスから、初級、中級、高級ポーションとエリクサーを取り出す。

私の感覚としては、簡単な切り傷や打撲は初級ポーションで治る。

病院で処置してもらわなければならない切り傷や、骨にひびが入った程度の外傷は中級ポーション、手術が必要な大けがや複雑骨折、内臓破裂、体の一部欠損のような場合は高級ポーションで治癒・再生が可能だ。

エリクサーを使えば死亡(異世界っぽく言うなら、HPが0になった状態)から1分以内なら蘇生可能、半身欠損状態から完全回復ができる。


ただ、これはあくまで私の使用した感覚であって、検証したわけではない。

今後、貢献度ポイントショップが使用できなくなる可能性も考慮して、各種ポーションの限界を調べておくことは必要だろう。


「初級ポーションから始めましょうか。

 切り傷を、まずはナイフで、その次は鋸で。

 切り傷の後は打撲の治療。

そうだ、火傷の治療もしてみましょう。」


藤谷の右袖をまくり、腕を露出させるとカタカタと震えていた。

その腕に私は躊躇なくナイフをふるう。

細く黒ずんだ腕に、ぴっ、と赤い線が引かれた。

5cmほどの切り傷から、血液がにじみだし、腕に垂れる。


「皮膚表面の切り傷。

 初級ポーションを使うと・・・瞬時に跡形もなく治癒、と。

 流れ出た血液はそのままね。」


観察した結果を書き留めてゆく。


「次は鋸ね。

 初級ポーションの治癒の域を超えているような気がするけれど、様々な形状の刃物で試してみないとね。

 あ、そうだ、刺し傷も検証してみましょう。」


今度は左袖をめくり、小型の鋸で二の腕当たりを切りつけ、アイスピックでひじの下あたりを刺した。


「ん゛―!!!」


さすがに痛かったのか、藤谷が苦悶の声をあげる。

鋸で切った腕からぼたぼたと出血している。


「鋸で切った傷に初級ポーションを使うと・・・不完全な治癒。

 血液をぬぐってみましょうか。

 ・・・結構傷が深いわね。

 もう一度初級ポーションを使うと・・・治癒したけれど、さっきのナイフと比べると時間がかかったわね。

 アイスピックによる刺し傷は、一回で治癒と。」


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