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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第7章 進軍
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対峙5

「おわり?

 もっと抵抗してもいいのよ?

 信者に手加減するつもりはないわ。」


魔法が一切効いていない私の姿を見て、冬馬は悔しそうに顔を歪めたが、自分を弾き飛ばそうとした盾と魔法を防いだ盾が違うものだと気づくと、


「魔法を防いだのは、装備の力だろう!

 その盾が壊れた時がお前の命尽きる時だ。」


「そう思うならやってみたらいいわ。」


勇者は魔法に特化している賢者と違い、魔法も物理攻撃も耐久性もスピードもどこかに特化しているというわけではない。

よくいえばオールラウンダー、悪く言えば特徴がない性能をしている。

対して、冬馬が私の職業だと思い込んでいる騎士職は、勇者と同等程度の物理攻撃力と高い物理防御力を持っているが、俊敏性はあまり高くなく、MPが少めで、敵からの魔法攻撃を防ぐのは魔法職が行うことが多い。

よって、冬馬が取る作戦はおそらく、足でかく乱しながら魔法を放ち、魔法防御力の高い盾を破壊。

その後も魔法による攻撃を仕掛け、倒すといったものだろう。


私の予想が当たっていたのか、冬馬は距離をとるために走り出した。


「対人結界発動」


私は冬馬が逃げられないよう、あらかじめ設置しておいた結界を発動する。

第一拠点を中心に、半径数百メートルの円状に広がる対人結界は、結界の外から中へは入れるが、中から外へ出られないように設定している。

第一拠点の周辺の地理は頭に入っているとはいえ、山の中腹に建っている以上、周辺に木々が生い茂り、視界はあまりよくない。


「山の中へ探しに行くのは面倒だからね。

 あと、もう一つの結界も発動させておこうかな。」


同時に第一拠点にも結界を発動させる。

これは逃走防止の結界とは反対で、第一拠点の中に誰も入れないように設定している。


「何か小細工をしているみたいだな!」


「さあ、何かしらね?

 それよりそんなに離れてどうしたの?

 尻尾を巻いて逃げるのかしら?」


「ふん。

 余裕ぶっていられるのも今の内だ!」


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