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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第7章 進軍
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対峙2

ピンポーン


冬馬は無理やり侵入するのではなく、チャイムを鳴らすことを選択した。


「はーい。

 どちらさまですか?」


「はじめまして。

 東高辻冬馬と申します。」


「東高辻・・・さん?

 え、まさか、総理大臣の東高辻さんじゃないですよね?」


「そのまさかです。

 楠月桂さんにお会いしたいのですが、御在宅でしょうか。」


「月桂は、私です。」


「そうでしたか。

 ・・ゲートの件で伺ったのですが・・」


「え!わ、分かりました。

 少しお待ちください。」


冬馬は月桂に本当の目的を知られない為、月桂は冬馬に自分の実力を隠すためお互いに茶番を演じた。

冬馬を待たせている間、念のため地下1階の迷路を「最難関モード」にして、各種結界、魔方陣を発動、地下2階と地下3階に続く扉に侵入防止の魔法をかけた。


「お待たせしました。」


相手に気取られないよう、対物・対魔法防御魔法をフルで発動させながら、そっと玄関の扉を開く。

扉を開くと同時に聖剣で切りかかられるのではないかと身構えたが、扉の先にいたのはにこにことした笑顔を張り付けた東高辻冬馬だった。


「はじめまして。

 東高辻冬馬と申します。

 ご存知かもしれませんが、内閣総理大臣の任についています。」


「本物なんですね。

 ・・・楠月桂です。

 あの、ゲートの件ということは、その、東高辻総理も勇者経験者なのですか?」


「はい。

 数年前に女神様によって異世界へ召喚され、勇者の職業を与えられました。

 月桂さんもそうですよね?」


「・・・・そうです。

 でも、どうして知っているんですか?

 誰にも話したことはないのに。」


そう、私が勇者経験者だということは黒田以外誰も知らない。

そして、黒田が喋ったとは考え辛い。

アスガルドやその前の世界、ニルヘムで一緒だったパーティーメンバーには私の名前は教えたが、住所は教えていない。

一人だけ本名も住所も何もかも教えたけれど、彼はもういない。

楠 月桂という名前は確かに珍しいが、他にいないわけではない。

物資調達の過程で私の情報が漏れたのか。

もしや、顔も忘れかけているあのくそ上司にお礼したときに、社内に勇者経験者がいたのか?

可能性をぐるぐると頭の中で考えながら、顔には不安そうな表情を張り付ける。


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