侵攻開始6
「魔王様、レイス部隊から地球人への取り憑きが成功したと報告が入りました。」
「そうか。
科学の力によって思わぬ邪魔が入ったが、なんとか一歩目を踏み出せたな。」
「それが、そのカガクという技術のおかげで、地球についてあらゆることが判明したと。」
「どういうことだ?」
「それが、人間のカガク技術の一つにインターネットというものがあるそうです。
これは地球上のありとあらゆる所を繋ぐ情報網のようなものだそうです。」
「地球上を全てか?」
「はい。
設備さえあれば地球上のどこでもインターネットとやらを利用可能で、そこには様々な知識が蓄えられているとのことです。」
「まさか、箱のようなもので誰かと会話をしていたというあの報告も、そのインターネットとやらが絡んでいるのか?」
「そのようです。」
「何という技術だ。
・・・まて、設備さえあれば地球上どこでもインターネットとやらを利用可能といったな?
様々な知識を得ることも、離れた者と会話することもできるその技術は、まさか誰にでも利用可能なのか?」
魔王の問いに、ギエルグは首を縦に振った。
「はい魔王様。
どうやらパソコンやスマートフォンといった設備さえあれば、誰にでも利用が可能なようです。
しかも、そのパソコンやスマートフォンといった設備は、裕福な国の国民であれば8割以上の人間が所持しているという報告もあるそうです。」
「なんと・・・。」
「しかし、インターネットが我々にもたらしたものは脅威だけではございません。
地球上の地図、それもかなり詳細で正確な物が手に入りました。
さらに、この地球の人口やその分布、主要都市の場所、宗教、食料生産地など、進軍に必要な情報はほぼ手に入れることができました。」
ギエルグはそう言って報告書を手渡す。
「これは人間たちが使用している紙に、印刷機なるもので文字や数字を写したものでございます。」
「この技術にも驚いたが、報告書にはそれ以上の事が書かれているな。」