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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第7章 進軍
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侵攻開始5

レイス達は基地の隊員たちを細かく観察し、単独行動が多く、比較的人付き合いが希薄なある隊員に目を付けた。

全員に取り憑くよりも、事細かに観察した一人に取り憑き、その隊員に成りすまして情報を集めようとしたのだ。


レイス達は隊員の行動パターンの把握から始めた。

何時に起きて、どこに移動し、何を食べ、どのような仕事をしているのか。

会話する人間は誰か、特徴的な行動や癖はあるのか。

何が好きで何が嫌いなのか。

数日間にわたり事細かに観察をし、取り憑く準備をした。

取り憑くのはレイス部隊の部隊長だ。

この人選はレイス部隊の中で、地球の言語を読み書きできるのが部隊長のみだからだ。


異世界に侵攻する際、最も大きな壁の一つに言語がある。

勇者たちは異世界転生ボーナスの一つである「言語理解」によって、問題なく意思相通していたが、魔王軍は新しい世界に行くたびに言語学者たち総出で新たな言語を読み解いていた。

しかし、これまでの世界にはせいぜい片手で数えられるほどの言語しかなかった。

同じ種族は同じ言葉を話す、同じ大陸に住む者は同じ言語を話すといったことが当たり前だった。


しかし、地球はそうではない。


同じ人間という種で、同じ大陸に住もうとも、国や地域あるいは年代によって様々な言葉を使う。

したがって、これまでのような方法では侵攻に大幅な遅れが出てしまう。

地球と繋がっている魔王たちがいた世界は、崩壊しつつある。

魔王軍だけでなく、一般市民も早く地球に避難させなければならない。


そこで、魔王は魔神に交渉を持ち掛けた。

魔王が所持している貢献度を3割差し出す代わりに、魔王、四天王、各部隊の部隊長に異世界の言語を理解する能力を与えてはくれないかと。

結果として、その交渉はまとまり、地球の言語を理解する能力を得たレイス部隊の部隊長が南極基地の隊員に取り憑くこととなった。


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