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三度目の世界は救いません  作者: 金木犀
第1章 奇縁
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契約成立

「契約成立ね。じゃあ、ちょっと傷を見るわよ。」

男がうずくまっている辺りには、乾き始めた血だまりがあった。

それを踏まないよう気を付けながら近づき、スマホのライトで男を照らす。

顔色は青白く、シャツが赤黒く染まっている。

そっとシャツをめくると、左胸の上部から鳩尾にかけてぱっくりと切られていた。

「血は・・とまっているみたいね。内臓も傷ついていないみたい。

 これなら縫い合わせて安静にしていれば助かるかも。

 さすがに輸血なんてできないから、体力勝負になるけどね。」

「お嬢さん、医者だったのか。」

「いいえ、しがないOLよ。」

「それにしちゃテキパキとしてるな。」

「まあ、これくらいの傷なんて何千、何万とみてきたからね。」

「は?」

「こっちの話。さあ、立てる?とりあえず消毒して縫い合わせる必要があるから、私の部屋に行きましょう。」

男の靴裏に血痕が付いていないことを確認し手を引っ張ると、男はよろけながらなんとか立ち上がった。

「あ、血だまり踏まないでよ。

あなたを襲撃した奴らや、警察に追跡されると面倒だから。」

「あ、ああ。」

ほんの数百メートル先のアパートまで、男の荷物と拳銃を回収し、痕跡が残らないように移動するのは骨が折れた。


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