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忘却のベンティスカ ~社畜の人間宣言~  作者: 羚羊
第二章 志は贅沢品
4/10

宝石箱

ここに一つの箱がありました


ロカイユ装飾が施された

うっかり落としてしまったら

ひとたまりもないような

うっとりするくらいに繊細な箱


この中に納められていたのは

「嘲弄」や「羨望」といった

突き抜けて素直な感情の塊


黄褐色や深緑色の鉱石として

この世に身を現している



マホガニーの机に置かれた

白いレースのハンカチの上で


取り出した鉱石と陽光とのダンスを

焦げ茶色の瞳はジッと見つめている


インクルージョンのない宝石は

究極に奇跡的な箱入りの本物か

人工的に作られた紛い物のどちらか



休む暇無く産み出されていく

色とりどりの光を放つ心は

磨かれて宝石に生まれ変わる



10倍ルーペで覗いてみたら

どんなインクルージョンを

ぼくたちに見せてくれるのかな



ダイヤモンドにはかなわない


サファイアの気高さもない



無い物ねだりはむなしいだけだ

最初からそんな器を持ってないのだから



ぼくたちの産み出した宝石は

「憎悪」を飾るに相応しいと

世界が密かに求めているから



今日も笑いが止まらないんだ







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