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忘却のベンティスカ ~社畜の人間宣言~  作者: 羚羊
第一章 幸福の条件
3/10

卵が割れた。

薔薇のつぼみがほころぶように


あちらこちらで笑いながら


品評会を楽しんでいる方々を


わたしたちが疎ましく思っていることは


絶対に絶対に絶対に忘れないでほしいんだ




あなたの尺度で語られる言葉は


このそこそこ大きめの箱庭では


大きな力を持っているようだけれども



いつか必ずあしもとをすくわれて


カウンターを食らわせられるよ


だって、いつも、見ているんだから



卵は割れて中身がどろどろと流れて


もうとっくの昔にぐちゃぐちゃだ




外はとっても怖いところだから


いびつな形をした小さな世界で


わたしたちは楽しく生きている






別にいいじゃないか


あなたの理想はわたしたちと違う




わたしたちを蔑んでいるのと


おんなじくらいの気持ちで


あなたたちが呪われたとしても


それは仕方のないことだよね




「同じ川に二度入ることはできない」と


ヘラクレイトスは言っていたらしい




割れてしまった卵が元に戻らないように


失うものを失ったわたしたちに


さぁ、怖いものを教えてくれたまえ




卵が割れた。


卵が割れた。


卵が割れた。





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