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近くて遠い

作者: フジりんご

すぐ読み終わるお話



「お~い、和奏~。早く出てこ~い」





「ちょっと待って~~!」





ドタドタドタッ





私は身支度を整えて玄関に急いでいた

いっつも私が寝坊しちゃうから毎朝幼馴染の空太が起こしに来てくれるんだ

空太も朝弱いのに私のために早起きしてくれてるし、待たしたらダメだよね!




「和奏、今日雨が降るから傘持っていきなさいよ」


「空太に入れてもらうから大丈夫~」


「そうやってすぐ空太くんに甘えるんだから」


「えっへへ~///じゃあ行ってきまーす」




そう母親に返事をして家を出ると空太が家の前で待っていた

私と空太は家が隣同士で小さいころから一緒にそだってきているから家族ぐるみでも仲がいい




「和奏、遅いよ」


「ごめんね空太。準備に時間がかかっちゃった」


「まぁ、いつものことだからいいけどね。じゃあ行こうか」


「うん♪」




私は毎日空太と登校するのを楽しみにしているんだ

だって私は空太のことがずっと好きだから

でもその気持ちを伝えてしまったら今の関係もくずれてしまうかもしれない。そうなるぐらいなら今のままでいい。ずっとこのまま一緒に学校に行きたいと思い、まだ想いを伝えられずにいた




「和奏~、宿題した?してたら後で見せてくれないかな」


「え~、また?しょうがないな~」


「さすが和奏。ありがとう」


「夜遅くまでゲームでもしてたんでしょぉ」


「ははっ、よくわかってるね」


「開きなおらないの!もうっ。今度甘いものでも奢ってね」


「りょーかい。じゃあ急ごっか」


「そだね♪」




今日もいつも通り、たわいもない話をしながら私たちは学校に向かっていった

こんな日がいつまでも続いてほしいな









*******************









放課後、私はいつものように空太と帰ろうとしたが、その前に飲み物を買いに購買に向かった




「やっぱここはいちごミルクだよね~、ってあれ?空太?」




ふと通路を見ると隣の建物のほうに空太が歩いていっているのを見かけた

なにしてるんだろ、こんな所で




「やっぱり空太だ。そ~ら・・・・・・・・・・」




空太と呼ぼうとしたとき空太の前には女の人がいた

あの女の人は誰だろう・・・空太の友達かな?リボンが水色だから同じ2年だと思うんだけど

空太たちが何をするのか気になり、私はこっそり近づき耳を澄ませて聞いていた

聞き耳をたてていると女の人が話し始めた




「あの、高橋君。急に呼び出してごめんね。来てくれてありがとう」


「いや、それはいいけど・・・・・どうしたの?俺に用事?」


「うん。実は高橋君に言いたいことがあって・・・・・」




え、なに、これ・・・・・・・まるで告白みたい。ウ・・ソ・・・・だよね・・・そんな・・・・こと




私は目の前で起こっていることが信じられずに呆然としている

そして彼女は顔を真っ赤にして言った




「私、高橋君のことがずっと前から好きです!私と付き合ってください!!」




やっぱり告白だった。

空太は何て答えるんだろう。ずっと彼女ほしいって言ってたからやっぱOKするのかな・・・・




「えっと、告白してくれてありがとう。俺でよかったら」


「ほんと!?嬉しい!ウソみたい!!」


「ふふっ、これからよろしく」


「うん!よろしく」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ほんとにウソだと言ってほしいな

ただジュースを買いにきただけだったのに。こんなとこに出くわすなんて・・・・・

私は今にも流れそうな涙を堪えながら靴箱へ向かった








********************








急いで帰ろうと靴を履いていたら空太がやってきた

今は会いたくなかったな・・・・・・




「あっ、和奏。いま帰り?」


「う、うん。空太も?」


「そうだよ。あれ?和奏、雨降ってるけど傘持ってきた?持ってないなら入れてあげるよ」




私が傘を持ってないことに気づき誘ってくれたのだろう

だが、少し先にさっきの彼女がいた。一緒に帰るところだったんだろう




「大丈夫だよ。折りたたみ傘持ってるから」


「そうなんだ。てっきりいつも通り持ってないのかと思ったよ」


「空太君?どうしたの?」




空太との会話中彼女が遠くから空太に話しかけていた

私、これ以上は堪えられないかも・・・・・・




「えっと、ちょっと待ってて~」


「空太、あの人は?」


「さっき告白されてね。付き合うことになった人だよ」


「・・そっか。彼女できたんだね。おめでとう」




私は笑顔で祝福する

その祝福に空太は恥ずかしそうに返事をした




「ありがとう///」


「ほら、彼女待ってるよ。早くいかなきゃ!」


「うん、じゃあまた明日。和奏も彼氏できたら教えてね」




私も笑顔をくずさないまま手を振る。そうして空太は彼女のほうに走っていった

外に出ると雨がさっきより強くなっている

校門を見ると彼女と一緒に歩いている空太。2人はいつもと違う方向へ曲がっていく

あぁ、恋をすることがこんなにもつらいだなんて知らなかった

こんなことなら恋をするんじゃなかったのかな




「次からはちゃんと傘持ってこなくちゃ」




しばらく空を見ていた後、ふとつぶやき、私は雨の中を走る

そんな和奏の頬には冷たい雨となにかあたたかいものが流れていたのだった・・・・・・











********************











そういえば昔、空太との会話でこんなことがあった

ある帰り道でのこと




「ねぇねぇ、"月がきれいですね。"ってどういう意味か知ってる?」


「えっ?急にどうしたの?」




突然空太が変なことを聞いてきた

そんなのに意味があるとは誰も思わないと思うんだけど




「いや~、昨日テレビでしててね。で何だと思う?」


「うーん、わかんないなぁ。何か意味があるの?」


「あなたのことが好きです。って意味らしいよ」


「へ~。なんで月がきれいって話なのに、あなたが好きって意味になるのかな?」


「それはよくわかんない。他にも星がきれいですねとか、雨の音がなんちゃら~とかあるんだって」


「なんちゃらって。覚えてないの?意味が気になるよ~~」




言ってきた割には意味をあまり覚えていないなんて、空太らしい

今度自分で知らべてみようかな










********************










あ~あ、こんな時でも空太との事を思い出すなんて・・・・・・


それだけ空太が好きだったのかな・・・・・・




「雨音が響いていますね。・・・・・・か。」




その言葉通り、雨が自分の体や地面に当たり音が響いている

空太と昔この言葉の話をした後、私は意味が気になりいろいろと調べて見たことがあった

その中でも私は、" 雨音が響いている。"って言葉が印象に残っていた




「私も頑張ったんだけどなぁ・・・・・やっぱり想いを伝えればよかったのかな?」





「そしたら空太は私を選んでくれた?」





「だけど、そんな勇気、私にはないなぁ」





「う、うぅ~、そらた~」





どれだけ近くにいてもいずれ人は離れて行ってしまう

人生は出会ったり離れたりの繰り返しなのだから

私もいつか出会えるのかな。空太みたいな運命の相手に・・・・・














   (さよなら。私の初恋)

書いている本人がよくわかってないの

小説って難しい(´ー`)

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