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内鵜仁、美麗に接近する

「さってと、まずはどういう仕組みになってるか調べるところから始めるか」



今日見てみて、何もわからなかったらどうしようかと最初は不安だったけど、頼れる人がいるというのは心強い。


まずはどこから手をつけたらいいかな? 見たところネジとかは見当たらないけど。あれ? あ、スライドした。お、さらに回転。基板出てきた。


なんだ、基本的にやってることは、オレらの携帯と一緒だな。そりゃそうか。宇宙人っつったって魔法使いとは違うんだ。こういったものを実現するための手段なんて、そうそう変わるもんじゃないよな。


それにしてもおっさん、この携帯電話を首に挿してたよな? あの首筋の穴はおっさんの種族特有の物なんだろうか?


原理を素直に考えると、この細い線がアンテナで、これで外部からの信号を受信する。その信号が大きなLSIに行ってると。どうやらこいつがキーパーツになりそうだ。


おそらくこの部品の中で受信した信号を増幅して、復調される。この信号がデジタルなのか、アナログなのか、はたまたまったく別の信号方式なのかはよくわからない。


とにかく別の携帯電話が発信した信号をこの機械が受信する。その受信信号がおっさんたちに理解できるような信号に変換される。変換された信号がこの線を通って、先端にあるこのコネクタでおっさんに繋がる。


そうやっておっさんは外から受信した信号を、おっさん本人にとって意味のある情報として処理できる、ということだろう。


逆におっさんが信号を送信する場合、おっさんの首筋の穴から出てきた何らかの信号がコネクタ、信号線を通じて、このキーパーツに入る。この中でその信号が変調されてアンテナから送られる。まあざっとこんな感じだろう。


さすがにこれ以上は、いまこの状況で解析するのはムリだな。よし皆野さんに連絡だ。


まあ、まずは皆野譲治が信頼に足る人物かどうか調べてからでも遅くあるまい。ググってみるか。



『全日本無線通信 SELENE−5 メンバー』っと。


お、『開発者インタビュー』とかあんじゃん。『技術部部長 皆野譲治』か。なになに。そうかあ。やっぱすげえなあ。


よし、この人なら絶対大丈夫だ。コンタクトを取ろう。


そうと決まったら、豆井戸美麗にお願いしなくちゃな。いきなりLINEしても大丈夫かな? 近所だから、小さい頃はよく一緒に遊んでた記憶があるけど、最近はあんまり会話もないからな。


っていうか、女子にLINEって、どういう感じでメッセージ送ればいいんだろう?


いかん、緊張してきた。何て文章打てばいいんだ? 頭が回らんぞ。うおお、どうすればいいんだ? やばい、手が震えてきた。緊張してんのか? このオレが? どうしよう。どうしよう。どうしよう。


いかん、考えがまとまらない。もうこうなったら仕方がない。単刀直入に用件だけ打って、返事を待とう。



『拝啓、豆井戸美麗殿』



いかんいかん。これは固すぎだな。もっと柔らかくしないと、皆野さんに会う前にここで嫌われてしまいそうだ。



『やあ、美麗ちゃん。オレだよオレ』



いや、軽すぎだな。なんかオレオレ詐欺みたいだし。もっと男らしくいくか。



『美麗、頼みがある』



いきなり呼び捨てはまずいだろお。どうしようかなあ。


あ、そうか。どうせ一対一のやり取りなんだから、名前書かなくてもいいか。さすが学校一の天才、内鵜仁。頭冴えてるぜ。



『突然のメッセージで申し訳ないけど、お願いがある。聞いてもらえるかな?』



うわあ、送っちゃった。返事くるかな?


後は神のみぞ知るだ。


この続きは2/25更新予定です。お楽しみに!

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