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内鵜仁、みんなに勘違いされる

ピロリン。


おっ、LINEに返信だ。幼馴染みとはいえいきなり頼みごとなんて聞いてくれるかな? ちょっと見るの怖いけど、えいっ! ピッ。



『何? 美麗と仁の将来の話? もう仁ったら性急すぎるんだから!』



こいつ……。オレ、なんか勘違いさせるようなこと書いちゃったかな? こ、これは何て返事すればいいかな?


ま、こういう場合は無難に用件だけ伝えるか。



『皆野譲治さんに会わせてほしいんだ』



まともな返信であることを祈るしかない。このまま無理問答が続くようであれば、なんとかして皆野さんの連絡先を調べて直接連絡をとるしかあるまい。とんだトラップだな。


待ってろよ、おっさん。すぐに宇宙に帰してやるからな。


ピロリン。



『いいわよ。その代わり美麗からもお願いがあるの。細野美恵を家につれてきてもらいたいの』



どういうことだ? 美恵ちゃんをあの女の家につれていく?


まさか! 仲人を頼むつもりじゃないだろうな。最初の返事からするとあながちあり得ない話でもない。


いや、内鵜仁、冷静になれ。そんなことのためにわざわざ美恵ちゃんを指名するわけないだろ。第一あの女にとっては美恵ちゃんは会ったこともない相手だ。仲人になんてなりようがない。


あの女のどこかしらに肉がついてきた。そのため美恵ちゃんの個人レッスンを受けたいってところじゃなかろうか。


うん、まあそんなところだろう。


美恵ちゃん、明日たしか近くで仕事って言ってたよな。帰りがけについでに寄ってってほしいってお願いするか。まずはあの女にOKのスタンプ返して、っと。


ピロリン。


お、返事早いな。なになに……。ぬおおお。なんだと? しょしょしょ、正気か? あの女。



『わあい、ありがと。お礼に明日チュウしてあげるね♡』



お、オレのクールなイメージが崩れてしまうではないか。学校一の、いや神奈川県一の天才高校生、スマートでクレバーな内鵜仁のイメージがあああ。


って、いかんいかん。そんなこと考えてる場合じゃない。美恵ちゃんに連絡しないと。この約束は果たしとかないと、あの狂った女に明日学校で何されるかわかったもんじゃない。



『美恵ちゃん、明日仕事終わった後会ってほしい人がいるんだけど、時間ある?』



これで断られたらどうしよう? そしたらここまでの計画が台無しだよな。ピロリン。お、返事きた。



『いいよお。どうせ仁くんの家に寄るつもりだったし。誰?』


『豆井戸美麗って言って、オレのクラスメート』


『へええ。仁くんの彼女だあ。妬けるなあ。ひゅうひゅう』



い、いかん。美恵ちゃんにまで勘違いされているぞ。断じて違うんだ。オレはそんなつもりじゃないんだよお。


ピロリン。あ、メッセージだ。誰だ?


うおおおお。皆野譲治からだ。なになに。



『内鵜仁くんだよね? 美麗から話は伺っています。明日、仕事帰りにそちらに行きます。駅で待ち合わせをしましょう。美麗がどんな人を選んだのか。楽しみにしています』



おいおいおい。なんか勘違いしてないか? そういうことじゃないだろ。明日皆野さんとオレが会う目的はそんなことじゃないだろ?


ああ、誤解を解かなきゃ。そうじゃないんだってば。そうじゃないんだってば。違うんだよおおお。


この続きは3/1更新予定です。お楽しみに!

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