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だが私は勉強もできない後編

みなさんこんばんわ、明日から中間テストで、顔がアヘりそうな女無勇平です。

ですが、私は今それどころではありません。私の唯一の友達っぽい人、森くんに好きな人ができたそうです。

正直、森くんはイケメンなので、正直切れそうです。なぜかって、そりゃうまくいきそうに決まってるからでしょうが!!!!

だから、私いま一夜漬けするどころでもないのです。唯一の友達っぽい人が彼女持ちとか耐えられへん(関西弁)

と、いうことで私は悶々とテスト前日を過ごすのでした、そして翌日。

「テストが終わればデートに誘うぞ…テストが終わればデートに誘うぞ…」

ぶつぶつと呪詛が聞こえる。

「え?なんで彼あんな病んでるの?」

「きっと恋してるんだよ」

森くんがブツブツ言いながらうつむき加減で歩いている。で、なんだよ女子ども、イケメンには温かい目で見守るようなことするんだな、イケメン氏ねってめっちゃ思うわ(関西弁)

「おはようございます」

試しに声かけてみた。

「あぁ、おはよう女無さん…」

声に破棄がない、確実に病んでるなこりゃ。とか思っていると。

「おはよーぅ、森くんに女無さん」

クラス1のお姉ちゃん肌(姉御ではない)、斎賀さんだ。

「お、おはよぅ斎賀さん!」

森くんの声が裏返った、なるほどそゆことか。

「聞いてやー、技術のテストがさ、実技がやるらしいんやけど、うちそんなん得意ちゃうしどーしよー」

「お、俺も得意じゃないねんなー、よかったら一緒に予習でも…」

おいおい、森くんめっちゃ攻めるやん(関西弁)とか思ってたら、ちょっとカッコつけたくなる自分が一言いらないことをいった。

「俺技術は得意なんだよね」

「うそ?!ちょっとコツとか教えてやー!」

はい言ったー、評価ではBくらいなのに、自分が一番成績いい科目を得意とか言う奴ー!

キッ!!

と森くんに睨まれた、怖すぎ。

「技術1時間目やから、はやく教室行って予習やろぅー!」

斎賀さんもうノリノリ、森くんもうピキピキ、俺もう帰りたい。


そしてテストが始まった。ちなみに、俺は技術は何も考えずにやってるので、みんなでどんな予習をしたか覚えてない、覚えてることは、終始森くんが俺を睨んでたことくらい。今回のテストは木の板を削って自分のネームプレートを作ること、より創作性が溢れたものを作った人には期末テストの成績をあらかじめ加点してくれるという。

「いくぞ…」

一言つぶやいて俺は一心不乱に木を削る。

「加点されるようなもの作るぞ…加点されるとはっぴー、はっぴー…!!」

気づいたら口から呪詛が漏れていた。

「ねぇねぇ、あいつまたハッピーハッピーって言ってるんだけど」

「だから、いくらなんでもテスト中は話しかけないでって言ってるでしょ、あんたの木の板真っ二つにするわよ」

なんか女子が言ってるが気にしない、なぜなら俺は、期末テストを楽にするための布石をつくのにマジなのだ。本気と書いてマジなのだ。

一方その頃森くんは

「なぁ斎賀さん、どんなのにするかイメージ付いた?」

「んーん、なんも、てゆか、木の板に斎賀って書くの不可能に近いんだけど…」

「名字が無理なら下の名前は?」

「由賀里とかもっとメンドイに決まってるやろ!アホか!」

「ごめん…」

それ以来、技術実習室で喋る人はいなかった、そして。

キーンコーーンカンコーンとチャイムが鳴った。

「はい手を止めて、回収しに回るから机に置いておくように」

「あと少し、はっぴー、ハッピー…できたっ!!」

なんとか削り上げたところで先生が俺の机のとこに来た。

「おい女無、お前の名前はhappyなのか?」

「え?」

俺の木の板には、無数のhappyが、おそらく50このhappyが刻まれていた。

「残念ながら今の時間は技術であって英語ではないんだ、この時点でお前0点な、まぁすごいのは認めるから赤点は回避しといてやる」

あーあー、すなーおーにー、いきたいだけなーのにー、複雑な時代だーなー(浮世crossing)

そこから先のテスト機関の出来事は覚えていないが、ただ英語の先生に

「お前、頑張ったから1学期の英語の成績Bつけといてやるな…今回だけだからな」

と、言われたことだけは覚えている。

そして、テスト終了の日。

「おわったー!カラオケ行こうぜ!」

「ボーリングいこーぜ!」

「いいね、いこういこう!」

クラスメイトの希望と歓喜に満ち溢れた声が聞こえる中

「斎賀さん、よかったら今日ご飯食べに行かない?」

森くんが斎賀さんをデートに誘った!!

「え?じゃぁウチくる?今日家であたしカレー作るんよ」

斎賀さんの手作りご飯、好きな人のならば行かないわけがない。

「うん!!行く!!」

無邪気な子供のような笑顔だった。

「あ、女無さん技術の時はありがとー、よかったら女無さんも来る?」

「え?行きます」

つい反射で返事をしてしまった。

俺は、その瞬間の、超天国から地獄に落とされたような森くんの顔を忘れはしないだろう。

だが女子は私を選ばない、4話にして選ばれてしまった私、もしかしてこの小説終わるんじゃね?ははは、そんなことはない、これは、テスト勉強を手伝うという行為に対してのお礼であり、決して選ばれたわけではないからな、勘違いするでないぞ、わははははは……女の子の手料理ヤッホーい!!

その日は今までの人生で1番美味しい晩御飯だった。




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