プロローグ ~新たな物語~
木更津一樹、斉藤千鶴、北原大地の
三人は、俗に「悲月殺人事件」と呼ば
れた事件を無事生き残る事が出来た。
しかし、一樹の恋人であり、千鶴と
大地の幼馴染であった神無月桃香はその
事件の最中殺されており、その事が三
人の中で未だに影を残してしまっていた。
それに、被害者は桃香だけではない。
大切な人である睦咲莉子と、親のように
思っていた弥生和彦を殺されてしまった、
渚竜也は未だに精神に異常を来している
ようだし、あまり好ましい人物ではな
かったが、一応は事件を共に過ごした
大江川大五郎は行方不明となっている。
さらに、一樹はまだ依頼者である本物の
八乙女瑠美奈が死んだ事も気にしていた。
事件を解決させた後、依頼人を殺すのが
殺人集団『uranusu』のやり方だと知った
一樹は、最初は憎んでいた瑠美奈だが、
無残に殺された彼女の無念を晴らすため
にも『uranusu』を捕まえようと思って
いた。
桃香の母親から、二枚のペアチケットが
渡されたのは、まだ夏休みが終わって
いないそんな日だった。
桃香の母親は赤みの強い髪を右サイドで
結わえていて、同色の瞳を持つ、桃香を
そのまま大人にしたような女性なので、一樹
達は彼女を見ていると辛かった。
「もらってやって? ――桃香、ね、
あなたと、千鶴さんと大地君と一緒に行くん
だ、ってお小遣い貯めてチケットを購入して
いたの」
一樹、千鶴、大地の三人は、目尻に涙をため
ながら微笑む桃香の母親に、何も言う事が出来
ずにはい、と素直にチケットを受け取った。
それがとある事件の始まりであろうとは、まだ
一度目の事件しか経験していない三人には、分か
ろうはずもなかった――。
今回から新しい事件の
お話になります。しばらくは
ほのぼのシーンも入れたいので、
事件はまだまだ発生しないの
ですが、事件の概要は少しずつ
考えています。




