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心の薬局  作者: 霜月蜜柑
5/5

5 巫女様

広場に集まるともうたくさんの動物がいました。

「おう、ちび!」

ねずみは他のねずみたちに呼ばました。

「おう!」

「そいつは?」

あっちにいたねずみの中の一匹が言いました。

「こいつは…新しく入ってきた新入りだ」

ネズミたちはメルのことをまじまじと見ました。大丈夫かなあ、私が魔法使いだってばれてないかな?

「ふうん。あ、もう始まるぜ」

指差した先には立派なお屋敷。そこからきれいな女の人が出てきました。

「皆の者。元気にしておったか?今日はお告げではなく、変質者が現れたことを発表する」

動物たちはざわめき始めました。…もしかして…

「…魔法使いの友達と名乗った者だ」

そういうと巫女はアリスを突き出した。

「…アリス…」

アリスの目は変な色をし、どこか変でした。

「こいつは魔女ではないが…こいつの友人が魔女だと。今、いるな」

巫女は目をかっと広げてあたりを見回しました。これって絶対私のことじゃん!

メルは覚悟した。アリスを救えるのは私だけ!

「巫女様。私です」

メルは手を挙げました。さっきのねずみたちは目を真ん丸くしてこちらを見ました。

「お前…魔女だったのか?」

「ええ。私は外からきたわ。早くアリス…そのこをはなして!」

そう言いながらメルはそのへんにあった木の棒を取って空を飛びました。

周りの動物たちはもう混乱状態です。

「ほう…お前は相当な魔力の持ち主だ…やめろ、こっちへくるな」

巫女は手で自分の顔を覆いました。

「嫌よ。アリスを返して!」

メルは自分でも驚きでした。こんなに怖いことができるなんて…

メルはかばんに入っていたやさしさぐすりを巫女に向かってかけました。

「きゃああっ」

「巫女様、あなたはやさしさの心が消えかかっています。私が治してあげますからお願いです」

巫女は苦しがりながらでもさっきより頬に赤みが見えてきました。

それと同時にアリスもだんだん目の色がいつものエメラルドに戻ってきて、その場に倒れました。

「アリス!」

メルはアリスを抱き上げ、後ろに乗せました。そして巫女の頬に触れていいました。

「巫女様、もう大丈夫です。このまま、素敵な王女さまになってください」

それだけ言うとメルは飛び立ち、古の森を抜けました。

「おい!魔女!」

後ろから声がしました。さっきのねずみです。

「お前はどこに住んでる?」

「私はライム町のパンジー通り1丁目にすんでるわ!」

なんでこんなこと聞くんだろう…そう思いながら叫びました。

「ありがとよ!」















「メル、おはよ!」

元気になったアリスは古の森で起きたことは忘れていました。

「おはよ」

メルは手紙を読みながら言いました。

「お手紙?まさかラブレター?」

アリスは手紙をのぞきこみながら言いました。

「まさかあー」

メルはにっこり笑いました。



拝啓 魔女さんへ


こちらはおてんばな王女様が今日もいたずらをして王様を困らせています。

でも前より全然楽しいです。

おれは今魔法のキャンディを作る修行をしています。

下手だけど、食べてみて。これは優しくなれるキャンディです。


ねずみのちび




メルはぽいっと口の中にピンク色の飴玉を放り込みました。

甘酸っぱくておいしいな。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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