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心の薬局  作者: 霜月蜜柑
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4 いけない魔法

古の森はとてもぽかぽかしていました。前みたいに怖くはありません。

メルはあたりを見回しました。すると、大きな木の下に小さな穴が開いていました。こないだよりももっと小さくて場所も違うところにありました。

メルはその穴をのぞいてみました。どうやらトンネルになっていて、抜け道のようです。でもメルが入れる大きさではないのです。

「どうしよう・・・」

メルが途方にくれていたそのとき、一匹のねずみがやってきてメルの足をつんつんつつきました。

「わっ!」

「おい、お前も巫女様のお告げを聞くのだろう?なら早く行こうぜ。おれだって遅刻しそうなんだからよ」

その灰色っぽいやせたねずみは早口で言いました。

・・・巫女様?・・・メルはまったくわけが分かりませんでした。    でも話をあわせたほうがいいかも・・・メルはそう心の中で思い、分かったふりをしました。

「ええ。それで、私どうやってそこへ行けばいいのかしら」

「え?そんなん分かるだろ。お前はでかいからあっちの洞窟から行くんだな」

ねずみが指差した先は例のメルが入ることのできなかった穴でした。メルはもうあんな思いをしたくなかったのでねずみにたずねました。

「ねえ、私ね、あそこから入れないのよ。どうすればいいと思う?」

ねずみはハーっとため息をつくといいました。

「なんで入れないのかね・・・まあ今は急いだほうがいい。おれが小さくしてやるよ」

ねずみがちょいと指を回すとみるみるうちに小さくなっていった。

「あ、ありがとう。あなた魔法使い?」

「ああ。まだ見習いだが。だからこれぐらいしか魔法をつかえねえ。その前に使っちゃまずいんだぜ。

巫女様が魔法をきらっているからな、魔法使いはこの森には入れねえ」

え?そんな・・・だから私入れなかったのね・・・



「でもあなたは?あなたは魔法を使っているじゃない」

トンネルの中を歩きながらメルは言いました。

「うーん、おれのは小さい、ほとんど見えない力だ。おれはさっきの小さくする魔法しか使えない。自分が小さいくせにさ」

ねずみは さあ、始まっちまうぜと言って走り出した。それに遅れないようにメルも走った。

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