3 魔女はだめなの?
なんでだめなの・・・
メルはショックを受けました。何なんだろう、この穴。
でもいつまでもそうしてはいられないのでメルは帰ることにしました。
「アリスー、私もう帰るわ。なんだかこの地域に嫌われてるみたい」
メルは穴に向かって叫びました。すると奥からアリスの声がしたのです。
「ええ、分かった」
アリスはまだ残るのね・・・メルはちょっぴりさみしい気持ちになりました。
そしてあの変な出来事があって2日たったある日・・・
メルはさみしいときに利く薬を作っていました。なべに黄色い木の実を入れ、かぼちゃをスプーン1杯入れ、そしてぐつぐつ煮込んでいるときです。
「メルちゃん」
ドアをバンときつく開けてきれいな女の人が入ってきました。誰かに似てる・・・
「いらっしゃいませ」
「私、アリスの姉です」
アリスの。だから似ているのね。
「なんで私の名前知って・・・」
「それはおいといて、昨日からアリスがいないの。で、メルちゃんのところに泊まってるのかと思って」
「アリスが?私のところにはいません。2日前から見てませんけど」
メルは思いました。あの洞窟にまた行ったのかしら・・・
「えっ、そうなの。どうしましょう」
「あの・・・私心あたりがあって・・・古の森に行ったのかもしれません」
「古の森?そんなところまでどうして」
メルが飛んでいったから近かったものの、歩いていくとしたらすごく遠いのです。
「私、行ってみます」
ほんとは、きっと魔女の私では入れない。でも行くしかない。メルは自分に言い聞かせました。
「お願いね」
アリスのお姉さんは去っていった。さあ、今すぐ行くしかない。
メルは作った薬のいくらかをバッグに詰め込んで古の森に向かった。




