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最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

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37、様々な思惑


37、様々な思惑



「ユダから一向に連絡がないが、どうなってる? 」


「北の首都シン・イーハトーブに向かったまでの足取りは掴めていますが、それ以降は不明ですね 」


「イーハトーブで何かあったのかしら? 」


「しかし、彼は転生者 我々以外に彼の相手を出来る者はおらぬでしょう 」


「そうなると我々を裏切った可能性も出てくるが、奴に我々の恐ろしさを味わって貰うか 」


「待て待て、まだ奴は充分使える 貴重な転生者だ まだ処分するのは早い 奴が完全に我々を裏切ったと分かれば別だがな 」


「奴は相手を見下して油断する癖がある それで何かしくじった可能性もあるな 」


「まあ、こちらでもサタンや、あの小動物の行方を追おう 神獣を召喚して少し暴れさせるか そこに誘き寄せられるかも知れん 」


 複雑な機器が作動し、光が点滅する空間で数人の声が会話していた。


「このままでは、この世界の歯車が狂っていく おかしな動きをする歯車は処分していかねばな 」


「ユダの奴もバカではない 我々の怖さを知っている筈だ 今は外に出て受かれているのかも知れんが、そのうち連絡してくるだろうよ 」


 異様な空間の中で会話していた者たちは頷きあうと、またそれぞれの思考に没頭していった。



 * * *



「この大会はクレアの実力を周囲に知らせる為のものだ それにキノコが出てどうするんだ それに、そんなに戦いたいならダンジョンに潜れば良いだろう また私のダンジョンに来い 改良してもっとレベルが上がっているぞ 」


・・・いや、ナアマのダンジョンは遠慮しておきます ・・・


 さすがにあのダンジョンは二度と行く気にはならないよ。根本的に作り変えてくれなきゃ、無理。私のその決心は揺らぐ事はなかった。それに、ダンジョンの戦いと、こういった大会の戦いは違うからね。ダンジョンは命懸けだけど、大会では技の競いあいじゃない。そういうのにも憧れるんだよね。私が、あれこれ考えているとヴァイオレットがすっと立ち上がった。


「それなら、キノコ様も参加致しますか 」


「えっ 」


「ピッ 」


 私とナアマは同時に声を上げていた。


・・・私、出場しても良いの? ・・・


 ナアマが通訳してくれたけど、私は思わず女王様にため口をきいてしまっていた。


「構いませんよ トーナメント表を作るのは私ですし、キノコ様とクレアは別ブロックにすれば、二人が当たるのは決勝になりますし、そこでクレアが負けても、キノコ様が神であると分かれば観客もクレアの強さに納得するでしょう それに、この大会は武術大会 魔法はもちろん禁止ですが、聖剣や魔剣の使用も禁止です 使えるのは歯止めをした剣と己れの肉体のみとなります そして、相手を気絶させるか、降参させれば勝利となります 」


 話を聞いているうちにナアマがウズウズしてきているのが私には分かった。


「それならば私も是非参加させてくれ もちろん魔法は使わんし、この焔の剣も使用しない 」


 案の定だ。ナアマは絶対こういうお祭り好きだと思ったよ。けっきょく、私とナアマも大会に参加する事になったのだが、その後ヴァイオレットが驚くべき事を口にした。


「もちろん私も参加しますから、お手柔らかにお願いしますね なにしろ、この大会はヴァイオレット杯という名称ですからね 私が参加しないと始まりません ちなみにヴァイオレット杯は今回で6回目を迎えますが、前回までの優勝者は全て私です ああ、ご心配なく 賞金や賞品は準優勝の者に差し上げています そうしないと賞金をあげるの惜しいのかと思われてしまいますからね 」


「ヴァイオレット王は、本当に強いですよ 私たちから指導を受けて日々鍛練されていますからね 並の冒険者では歯が立たないでしょう 」


 ランスロットが補足するけど、なるほどねぇ。確かにヴァイオレットは小太りの王様ではなく引き締まった体をしているよ。ナアマも、それを感じたのかヴァイオレットに不敬な言葉を発していた。


「ヴァイオレットに勝っても問題ないんだろう? 」


「もちろんですよ トーナメントの大会ですからね 私に会うまで勝ち上がってこれて、私に勝てればですけどね 」


 自信たっぷりにヴァイオレットはナアマの言葉を受けていた。普通に考えれば魔王であるナアマが負ける事などないだろうけど、魔法も焔の剣も使えない状態で、日々修行しているヴァイオレットに勝てるのかな。私は、面白そうと目を輝かせていたけれど、ナアマとヴァイオレットの間では視線がぶつかり、バチバチと火花を飛ばしていた。


・・・ちょとぉ、私もいるんだから忘れないでよ ・・・


 私が頬を膨らませていると、アリスが抱っこしてきた。


「私は、キノコちゃまを応援します キノコちゃまを邪魔する者は何人といえども排除します もちろん、王と云えど例外ではありません ぐふふっ 」


「ピ、ピイィッ 」


・・・アリス、怖いよぅ ・・・


 なんで私は、ナガトやアリスみたいに変わった人に好かれるの。勘弁して欲しいよ、ホントに……。そこで、私はあれっと思った。いつもならすぐに情報を収集して戻ってくるナガトが、まだ帰ってこない。


・・・氷室で何かあったの ・・・


 私は少し不安になっていた。忍者マスターであるナガトが不覚を取るなんて、そうそうないと思うけど……。


・・・ヴァイオレット、牢獄にあの男は居るよね ・・・


 不安になった私が言うとヴァイオレットはすぐに確認してくれた。


「キノコ様、あの男は牢獄にいるそうですが、何かありましたか? 」


 あの男がいるなら他の何かがナガトの足止めをしているんだ。私はイブリースに氷室まで行って貰う事にした。ヴァイオレットから氷室の場所を読み取り、イブリースを転送させる。


・・・これで、安心だよね イブリースとナガトなら、どんな事も対応出来るよ ・・・


 そう思いながら私の不安は消えなかった。


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