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最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

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35、年齢詐称?


35、年齢詐称?



「この魔法使い、弱すぎて話にならないぜ 」


 高笑いしている男に城兵が一斉に飛びかかっていったけれど、男が腕を一振するだけで全員弾き飛ばされていた。近くの席にいたランスロットたちも男を取り押さえようとするが、ランスロットたちでさえも男に一撃を浴びせる事が出来ない。


「お前らみたいな弱い奴に用はない あの小動物がいるだろう ここに呼んで来いよ 俺の相手になるのは、あの小動物以外いないからな 」


 男は、ランスロットたちを軽くあしらいヴァイオレットに目を向けた。いけない、王に気が付いたのか。私は飛び出そうとしたナアマを手で制して、自分が飛び出していた。


「なんだ、ここはお子ちゃまの遊びの場じゃな………… 」


ドスゥゥゥッ!


 私は一瞬で男との間合いに入り、男の鳩尾を拳で深く突き上げていた。男の体がぶわっと宙に浮く。


「…おげえぇぇーっ 」


「みんながぁ、食事している場で、吐くんじゃないっ 」


 私は男の横っ面を殴りつけていた。


「おごうぅぅっ…… 」


さらに横に吹っ飛んだ男を、カウンターで反対側からも強烈な拳を叩き込む。そして、そのまま床に叩きつけた。男は、泡を吹いて床に転がって失神していた。体もビクビクと痙攣している。


「えっ…… 瞬殺…… 」


 アリスが床に座りこんだまま私を見て、目を丸くして驚いている。


「どなたか存じませんが、ありがとうございます 」


「ピッ……? 」


 そうか、アリスは私が変身したところ見ていなかったんだ。


「アリス、私だよ キノコ、私はキノコ 」


 私が名乗るとアリスはまた驚いてヴァイオレットやランスロットたちを振り向いていた。そして、ヴァイオレットもランスロットも、ウンウンと頷いているのを見てアリスは、私に目を向けた。


「キノコちゃま……? 」


「そう、私はキノコだよ 」


 アリスは感極まったようで私に飛び付いてきた。


「キノコちゃまぁーっ そのお姿も可愛いでちゅーっ 」


・・・なんだよ、アリス キャラ変わった ・・・


 アリスは私に抱きついたまま離れない。私は、そのままヴァイオレットに、倒れて気絶している男を牢に入れるよう指示していた。


「王様、この男は違う世界から来た馬鹿者です 並の牢では、すぐ脱獄してしまうでしょう だから、魔術的にも強化された牢に隔離して下さい 」


「分かりました、キノコ様。おい、こいつを特別楝の結界内の牢へいれておけ 」


 ヴァイオレットの命令で城兵たちが、男を運び出していった。


「あの…… そろそろ降りてくれませんか、アリス 」


「私は怪我人です 歩けませんので、このままキノコちゃまに乗ってます 」


・・・いや、思い切り飛び付いてきたと思うけど…… ・・・


 仕方ないなあ、私はアリスを乗せたまま自分の席に戻っていた。食事中にどたばたあったけど、それからは無事に食事も終わり、食後のお茶になっていた。


「ほう、このコーヒーなかなか美味いではないか 」


「この、紅茶も良い茶葉を使っていますね 」


 ナアマに続き、シモンの回復から戻って来たイブリースも感嘆の声を上げるけど、失礼だよ二人共、王様の出してくれたものなんだから良い物に決まっているじゃない。私はヴァイオレットが気を悪くしないかと思ったけど、ヴァイオレットは嬉しそうに笑っていた。


「キノコ様の従者の方に気に入っていただけて光栄です コーヒーはこの地方の希少な国産の豆をブレンドしました高級品 紅茶の専門のブレンダーが選び抜いた茶葉を使用しております 」


「ほう、さすがに王ともなると一味違う これは、この後の酒も楽しめそうだな 」


 そうそう、この後お酒の振る舞われる事になってる。私は楽しみでたまらなかったが、ナアマが余計な一言をいう。


「キノコは駄目だぞ まだ子供なのだから酒など飲んではいかん 成長に支障がでるからな 」


「そうですね キノコさんが子供だとは思いもしませんでした その体ではナアマの言う通り控えた方がいいでしょう 」


「ごめん私、キノコさんが子供だと知らなかったので、この前お酒を薦めてしまいました 」


「キノコ様は、私と一緒に遊んでいようよ 」


 ナアマとイブリースに続き、クレアとシャーロットも私にお酒を飲ませないつもりだ。冗談じゃないぞ。私はもう立派に成人している。会社の飲み会でも、酔っ払っても乱れない事から幹事を任される事多数。そんな私にお酒を飲むなというのか。もう、どうしてこんな魔法少女の姿になってしまったのだろう。そんなに私、自分の元の姿が嫌だったのかなぁ。確かに地味な容姿で、もっと華やかさが欲しかったけど、少女に成りたかった訳ではないよ。が、そこで私は良い考えが浮かんだ。


「皆さん私を子供だと思っているようですが、それは誤りです 天界とこの世界は時間の流れが違う 子供のように見える私でも、この世界の年齢にすれば20歳を優に越えている歳になります 見た目だけで判断しては、対応を誤りますよ 」


 偉そうに言う私にみんな注目している。それは、本当なのかという疑いの眼差しと共に、確かに子供にしては純粋ではなくひねくれているように見えるという心の声も表れていた。私は、もう一押しだと思った。


「私は、人参が大好物だけど、シャーロット、人参は好きですか 」


「ええっ、私はあまり人参は好きじゃないよ。人参食べなきゃ大きく成れないと言われるから、出されれば食べるけど…… 」


「聞いた通り本当の子供は、人参はあまり好きではない これが一般的です ここから見ても私の本当の歳は、見た目より遥かに上であると判るでしょう 」


「なるほど、確かに先程の侵入者との戦いを見ても子供では出来ない戦いでありました 天界と地上の時間の流れが違うのも納得です さすが神の使いであるキノコ様です 」


 さすがヴァイオレットだ理解が早いよ。ヴァイオレットが納得してくれた事で、他のみんなもおおよそ理解してくれたけど、ナアマはまだ疑っていた。


「キノコ、それなら本当の歳を教えてみろ 」


 ナアマが小さい声で私に囁いてくる。


「2、28ですけど…… な、なにか…… 」


 私が即答すると、ナアマは私も人間の歳でいうとそのくらいだと、ニカッと笑っていた。


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