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最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

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33、魔方陣


33、魔方陣



 私は、爪楊枝の剣に魔力を込める。そして、私は剣を高速で動かしていた。空間に何かを描くように……。私は呪文を唱えられない。けれど、ナアマやイブリース、そして、アリスから色々な事を学んだ。それで出した結論がこれだ。呪文を唱える事で、魔力に属性や特性を与える。強くイメージする事で、呪文を詠唱しなくても発動出来る。そう魔法は唱えなくとも発動出来るし、唱えれば更に強力に出来るという事だよ。


「えっ、キノコさんは呪文を唱える事が出来ないのに…… これは…… こんな事が…… 」


「ふん、これがキノコの実力だ、イブリース キノコを見くびるなよ 刮目しろ、これがキノコだ 」


「あの小動物はなんですか 私はこんな魔法見たことがありません こんな…… こんな魔方陣…… いったい、これは…… 」


 イブリースやナアマに続き、ヴァイオレットが驚きの表情をして私を見ている。当然だよ。これは私が考えたオリジナルの魔法だもん。シモンの周りを魔方陣が無数に何重にも取り囲んでいる。私が出した結論。それは、魔方陣を描くという方法だ。魔方陣を空間に直接描いて、魔力に属性と特性を与える。私が描いた魔法陣は、無属性の魔法無効化魔法だ。魔法に同じ威力の魔力をぶつけて相殺させて消滅させる。十戒が、どんなに膨大な魔力を使用しているのか定かではないけれど、私の魔力の方が上だよ。私は女神セレネ様に最強の魔法使いにして下さいとお願いしたんだから。そして、描いた魔方陣を無限にコピー&ペーストしていく。魔方陣は増えるほど効果が倍増していく。イブリースやアリスの多重魔方陣が凄まじい威力なのは、魔方陣同士が効果を倍増させているからだ。ならば、私のこの魔方陣、無限に効果が倍増される。


「汝、安息日を守らな…… 」


「ピイィィィーーーーーッ!! 」


・・・消えろっ、十戒っ!! ・・・


 私の魔力の全てで、十戒を消滅させてやる。私はさらに魔力を込める。


「汝、安息日を…… 」


・・・もう、戒律なんて読み上げられないよ ・・・


「汝、安息…… 」


パリーーーーーンッ!!


 何かが砕けた音が響き、それと同時にシモンの体から何かが抜けていった気配がした。


・・・イブリース、早くっ ・・・


 イブリースは、横たわるシモンに駆け寄り回復の魔法をかける。


・・・何やってんの、レイブン あんたも手伝うんだよ 何の為に回復させたと思ってんの ・・・


 私の言葉をナアマが通訳し、レイブンの尻を蹴り飛ばす。レイブンも、はいっと起き上がると慌ててシモンに駆け寄り回復を始めた。


・・・ふうーっ、私も回復に加わりたいけど、さすがに少し疲れたよ ・・・


「良いんだよ、キノコ お前は少し休んでいろ 回復はあの二人に任せておけば大丈夫だろう 」


 私は、ナアマに抱き上げられて頬擦りされていた。


「キノコさまぁーっ 」


 アリスも走り寄ってきた。ナガトもクレアも笑顔で私を見ている。ランスロットもトリスタンも安堵した表情だ。


・・・ああ、良かった みんなの顔に笑顔が戻ったよ ・・・


 私もホッとしていた。


「キノコ、私はこんなに凄いお前と一緒にいる事ができて最高に幸せな気分だ お前と会えた事を感謝している 」


・・・私の方こそ、ナアマに感謝しているよ ナアマから色々なヒントを貰った 私こそ、ナアマに会えて良かった ありがとう、ナアマ ・・・


 私の本心だ。それを聞いたナアマは破顔し、頬擦り攻撃が果てしなく続いていた。


「キノコ様 」


 改まって呼ばれ私が目を向けると、ヴァイオレットが膝をついて頭を下げていた。ヴァイオレットが連れて来た兵士も皆同じ様に膝をついている。


「ランスロットから聞きました キノコ様は神の使いであると 私もキノコ様の力を目の当たりにして、キノコ様こそ本当の神の使いであると確信致しました この度は、私の大切な配下であるシモンを救って頂き感謝の言葉もありません どうか、我が城までお越し頂き、お寛ぎになって下さい 」


「そうだよ、キノコさん それに、みんなもお城で少し休んでいきなよ 」


 ヴァイオレットに続き、アリスにも薦められ、私はどうしようかとナアマに顔を向けると、ナアマは人間の城というのも是非見てみたいと言う。それなら、行ってみようとなったけれど魔王二人に罪人が一人なんだけど良いのかな。まっ、国王がいいと言ってるんだから良いか。シモンは、まだ意識が戻らないので担架に乗せ、城まで運んでいく事になった。もちろん、イブリースとレイブンには、その間も回復を続けて貰うよ。


「お城に招待されるなんて初めてですね 」


 ナガトが嬉しそうに言うが、クレアは罪人の私が入って良いものなのかと心配そうに言う。


「大丈夫ですよ、クレアさん 仲間のシモンも助けて貰ったのです キノコさんの従者のあなたの罪など私たちが願い出て、すぐに国王に恩赦して貰いますよ 」


 ランスロットが大きく胸を叩いていた。生真面目なランスロットは、シモンが行った行為に怒りを感じていたけれど、それでも仲間であるシモンが助かって喜びを隠せない様子だった。


・・・さあ、お呼ばれしたんだから、みんなで行こうよ ・・・


 私たちはヴァイオレットの後に続いてゾロゾロと歩き出した。



 * * *



「くそっ、あの小動物にここまでやられるとは…… それに、あの剣はなんだ 回復魔法の効果の効きが悪い おかげで時間がかかったよ 」


 男は、ようやく聖剣フラガラッハで斬られた傷が塞がり動けるようになっていた。


「あの小動物、首都シン・イーハトーブに行くつもりのようだったな 俺も乗り込んで、今度こそ決着をつけてやる 俺の力を思い知らせてやるぞ 」


 男は立ち上がるとシン・イーハトーブに向かって歩き出した。すると、森の中から魔物が数体現れる。バジリスクにジャイアントスケルトン、それに動きが素早いコモドドラゴンだ。


「ああ、いけない魔物がよってこないように忌避魔法をかけるの忘れていた 面倒くさいなあ 」


 男はぶつぶつ言いながら剣を抜いていた。そして、あっという間に魔物を全て斬り捨てる。


「ああ、そうだよ こういう時に範囲攻撃魔法を使えば良かったんだ 」


 男はポリポリと頭を掻くと、何でもなかったかの様にまた歩き出した。


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