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最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

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28、突然の襲撃

いきなり画像出て驚いたと思いますが、リチャードソンジリスって、あまり一般的じゃないかなと今さらながら思いまして、ChatGPTで作った主人公キノコのキーホルダー画像を載せてみました。ジリス、可愛いんですよ。



28、突然の襲撃



挿絵(By みてみん)

※※※最強の魔法使いキノコ※※※



 しばらくテントとタープの下で寛いでいると、ナガトが戻ってきた。


・・・おかえり ・・・


 私が(ねぎら)いの声をかけると、クレアが日本茶を淹れてナガトに差し出す。ナガトは茶を一口飲むと、ランスロットたちと連絡が取れましたので、すぐに門までやって来るでしょうと報告があった。そこで、みんな出迎える為にゾロゾロと門の前まで歩いて行っていた。私とシャーロットは雨に濡れないようにタープの下で紅茶やミルクを飲んで待っている事にする。すると、何か不穏な空気を感じて私は振り向いた。そこには、いつの間にか数人の人間の子供がいた。そして、シャーロットに襲いかかり口を塞ぐ。


「むぐぅぅっ 」


 シャーロットは抵抗しているが一人では無理だ。私はシャーロットを押さえている子供の一人に飛びかかり爪をたてたがダメージを与えられない。シャーロットはずるずると連れ去られていく。


「なんで生きてんの、シャーロット 川に落ちても死なないなら、今度は生き埋めにしてやるよ 苦しんで死ねよ、シャーロット 」


 子供の一人、首謀者とみられる男の子がシャーロットに酷い事を言う。シャーロットは脇に抱えられたまま、ガタガタと震えている。


・・・いけないっ ・・・


 私は一人の足に思い切り噛みついていた。


「いてえっ 」


 子供は悲鳴を上げるが、構わずシャーロットを連れていこうとする。


・・・仕方ない 少し弱い魔法で気絶してもらうよ ・・・


 私は爪楊枝の剣に電撃の魔法をイメージしてエンチャントした。無詠唱で電撃の魔法を使うと、まだ加減が分からないので気絶どころか殺してしまったら不味いと思ったんだよ。そして、子供の足に爪楊枝の剣を突き立てようとしたら、急に子供の足が私の視界から消えていた。


・・・えっ…… ・・・


 私はキョロキョロと周りを見ると、私の頭上で馬に乗っている子供たちがいた。


・・・子供なのに馬なんて持っているの どんだけお金持ちなんだよ ・・・


 私は、慌てていた。私も走るのは速いけど、馬はもっと速い。だって、体の大きさが全然違うんだもの。でも、諦めるわけにはいかない。私がついていながらシャーロットが連れ去られるなんて絶対に許せない。私は必死に馬の後を追って走っていた。


・・・ううっ、苦しいよぅ でも、これは私の責任だよ 諦める事は出来ないよ ・・・


 私は、社長の一声で参加が決まった市民ロードレースを思い出していた。入賞すれば特別ボーナスを進呈すると言われて、それまで嫌々参加する格好だった社員の目の色が変わっていた。もちろん私も、その一人だった。女子の部は、男子の10キロに比べて半分の5キロだ。しかも、参加者も男子に比べて少ない。私は、俄然やる気が出て全力で走り出した。そして、ゴール間際入賞圏内の順位でいたが背後に迫ってくるランナーの気配を感じる。ここで抜かれたらボーナスがパアだ。私は必死に走っていた。今も、その時と同じ気持ちだ。ここでシャーロットを見失ったらボーナスが無くなるどころではないよ。それにしても、この小さな体の心肺機能では限界があるよ。私は、なんとかついていこうと気持ちは思うのだが、意識が朦朧としてきて目が眩んできてしまった。それでも、足がもつれて転びそうになりながら私は必死に走っていた。


・・・シャ、シャーロットッ ・・・


 私が心の中で叫んだ時だった。


プッ、プウゥゥーーッ


 おかしな笛の音が聞こえた。抱えられているシャーロットが笛を吹いているのだ。


・・・あれは、ナアマがシャーロットに渡した笛だ という事は…… ・・・


 それはすぐに現れた。辺りがどっぷりと闇の結界に包まれ、蝙蝠の群れの上に立っている悪魔がいる。ヴァンパイアレディーだよ。馬で走っていた子供たちは突然の魔物の来襲に、馬も子供も立ちすくみ動けなくなっていた。当然だよ。ヴァンパイアレディーはレベルの高い冒険者パーティーでも出会いたくないと思う強敵だ。それが、こんな子供では動けなくなって当たり前だ。

 ヴァンパイアレディーはゆっくりと近づいて来ると、子供の手からシャーロットを難なく取り戻していた。


「ナアマ様、それでは肩をお揉み致しましょう 」


 ヴァンパイアレディーはシャーロットの肩を揉み始めていた。どうやら笛を持っているシャーロットをナアマが擬態していると勘違いしているようだった。まあ、勘違いでも何でもシャーロットが助かったから良いけどね。私は、ホッとしていた。


「ナアマ様、あの人間は如何致します 」


 ヴァンパイアレディーはシャーロットに伺いをたてていた。シャーロットを(さら)おうとしていた子供たちは遠目にもわかるほどブルブル震えている。まったく、悪いことをするから怖い目にあうんだよ。いい薬になったでしょ。私が、そう思っているとシャーロットが恐ろしい事を言い出した。


「あんなの生き埋めにしちゃって 」


「かしこまりました 」


・・・おいおい、シャーロット そんなにコイツらが憎かったんだ ・・・


 私は驚いたけど仕方ないかと思っていた。川に投げ込まれて死ぬような目にあったんだもんね。これでシャーロットの気が済むなら仕方ないよ。私が後でこっそり助けてあげれば良いか。私は、手は出さないで見守っている事にした。ヴァンパイアレディーは子供たちに迫っていく。もう子供たちは失神してしまうのではないかと思うほど恐怖に震えていた。そして、ヴァンパイアレディーが腕を振ると地面が爆発したように飛び散り大きな穴が空いていた。ヴァンパイアレディーは子供の一人を軽く持ち上げると穴の中に横たえる。


・・・そうだ、ヴァンパイアレディーの瞳には金縛りの能力があるんだった ・・・


 私は思い出していた。こいつと目があってしまうとかなりの確率で金縛りにあい動けなくなるのだ。状態異常の攻撃といい、ホントに嫌な奴だよ。私はゲームで散々やられた事を思い出して苦々しい顔になっていた。ヴァンパイアレディーは嬉々として子供たちに土をかけている。その時だった。


「おおっ、大きな気配が現れたから来てみたら俺はラッキーだな あの小動物に会う事が出来たよ 」


 ヴァンパイアレディーの結界を破って侵入した男が両手を広げて大袈裟に喜びを表現していた。


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