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最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

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24、首都シン・イーハトーブ


24、首都シン・イーハトーブ



 ナアマはそれでもまだ心配しているシャーロットにアイテムを渡していた。見た目は小さな笛のようだけど何だろう?。私もそれがなんだか分からなかったけど、ナアマは大事そうに手渡すと、シャーロットに絶対に失くすなと念押ししていた。


「いいか、シャーロット それは”天使の笛”という貴重なアイテムだ 困った時やいじめられた時には吹くといい 必ず助けが現れる だから、いいか もう無理して強くなろうなんて考えなくていいんだぞ 」


 シャーロットは小さな笛を胸に抱き、嬉しそうにウンと返事していた。


・・・へぇ、便利なアイテムだね それで、どんな人が助けに来るの? ・・・


 私は興味津々でナアマに訊いてみると、ナアマも誰が来るのかよく知らないという。そもそも、あの笛はナアマが疲れた時に吹くから、吹かれたらすぐに来て肩を揉めと配下の悪魔に命令した物だそうだ。


・・・か、肩を揉みに来させるの? ・・・


「ああ、そうだ だから肩揉みが得意な奴が来るのではないかな ヴァンパイアレディーのあいつ辺りかな まあ、誰が来てもシャーロットをいじめから守るくらいは問題ないだろう そのクソどもは恐怖のどん底に叩き落としてやろう 人間の恐怖をたっぷり頂けるというわけだ くくく 」


・・・こういう所はナアマは如何にも悪魔という感じだけど…… それにしても、ヴァンパイアレディー…… これ、ゲームではラスボスの周辺に現れる強敵だよ こいつ一人に何度痛い目にあったことか ポイズン、パラライズ、エナジードレインの複合状態異常攻撃がほんと頭にくるよ でも今だったら私が勝つ ・・・


 私は何故かヴァンパイアレディーに対して対抗意識が湧いてくるのであった。まあ、ヴァンパイアレディーなら多少腕の立つ人間でも問題にならないだろう ましてや、シャーロットをいじめているようなクズの人間など手も足も出ないだろうね。それより、あまり弱いと殺されそうだよ。そっちが心配だけど、いじめているようなクズは殺されても仕方ないか。私は立派なヒーローとかじゃないから、殺されても自業自得でしょうと思ってしまう。まあ、いじめなんてしなければいいんだからね。そんな事を思いながら私はナアマに貰った笛を大事そうに握りしめているシャーロットを見ていた。


・・・シャーロット、よほど怖かったんだね でも、もう大丈夫 私たちがそんな世界を変えていくから ・・・


 シャーロットのような子供をなくす為にも急がないといけないと私は新たに思った。



 * * *



 馬を跳ばして首都シン・イーハトーブに着いたランスロットたちは、いじめの報告を揉み潰していたシモンにその時の首謀者の名前問い質していた。


「シモン、シャーロットをいじめていたのは誰だか言え 罪の意識を感じているなら、もう何も隠すな キノコさんもお前がそうしてくれると思っているのだろう 」


 シモンは項垂れたまま、小さな声で、それでもはっきりとした口調で告げていた。


「フィッシュバーガー家の息子たちと、その仲間だ ほぼ全てのいじめの事例で名前が上がってきている 」


「フィッシュバーガー家…… 」


 ランスロットたちは、その名前を聞いて絶句していた。フィッシュバーガー家は、国に多額の寄付をする資産家である。シモンが揉み消していたのも、その寄付のお金の件もあるのは間違いないだろう。南の大陸ネオ・エリュシオンの国に比べて、北の大地の国は貧しいのだ。首都であるシン・イーハトーブの財政もいつでも火の車である。そこに、フィッシュバーガー家の寄付は有り難い話なのである。しかし、だからといって”いじめ”などしていいという事ではないし、それを容認するのもおかしな話である。ランスロットたちはまず国王に報告をする事にした。ずっと以前から子供たちの間で”いじめ”が蔓延しており、それはかなり深刻な状態になっている。それを今までシモンが王まで話を通さずに握り潰していた。シモンはいつもそれを気にしない事はなかった。だが、フィッシュバーガー家からの支援がなければ財政は窮するだろう。国の為、そう思ってシモンは見てみぬ振りをしていた。しかし、神の使いというキノコが目の前に現れ、ランスロットの聖剣とアリスの魔法を簡単に防いでいた。間違いなく本物の神の使いだと信じたシモンは自分の罪を断罪するために降臨して来たのだと思うのは当然の事であった。


・・・神は全てお見通しなのですね ・・・


 シモンは最後くらいは自分の罪を素直に認め、少しでもキノコの役にたちたいと考えていた。



 * * *



 シン・イーハトーブの中央にある城の中で国王ヴァイオレット=カベンディッシュはランスロットたちの訪問を受けていた。


「皆さん、お揃いで何かありましたか? 」


 ヴァイオレットは突然の勇者パーティーの訪問に驚くと同時に、いつものランスロットたちとは違う雰囲気にも戸惑っていた。


・・・何があったのですか トリスタンは変わらない感じですが、明るいランスロットとアリスが沈んでいるのは初めて見ますよ ・・・


 ヴァイオレットは、魔王に破れた時でもランスロットたちのこんな悲壮な表情は見た事がなかった。その中でも硬い表情をしているシモンが前に出ていた。


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