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最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

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19、白桃の眠りの秘密


19、白桃の眠りの秘密



ああ、もう駄目だ。私は目の前が真っ暗になっていた。私の放った巨大な高圧の水球がダンジョンの壁に激突する。


パアァァァーーン!!


激しい衝撃が起きダンジョン全体がぐらりと揺れている。


・・ああ、終わった……。もう、このダンジョンでアイテム集めてお金儲けする事も出来ないよ。それより、このダンジョン作った人に謝らないと……・・


衝撃波がダンジョン内に広がり、仲間たちが、何事かと私の方を見ている。


・・ごめんなさい、どんなお仕置きも受けます・・


私が覚悟した時、このまま崩壊していくかと思われたダンジョンの揺れが止まっていた。そして、キノコさんと呼ぶ声が聞こえる。私が恐る恐る振り向くとイブリースだった。


「キノコさん、ダンジョン内ではキノコさんは魔法を使わないようにと前に言ったはずですが……。僕らの結界で衝撃を閉じ込めたので無事でしたが、このダンジョンを壊す気だったのですか」


うう、イブリース怒ってるよ。当たり前だけど。それに、イブリースだけじゃない。ナアマに僧侶のシモンも結界を発動して最悪の事態を防いでくれたようだ。


「魔王イブリース。魔王であるあなたには理解出来ないでしょうけれど、神の使いであるキノコ様が何の考えもなく、こんな事をなさる筈がありません。私たちには分からない深い意味がきっとあるのですよ」


私を、神の使いであると信じているシモンは、私を庇ってくれるが、私は恥ずかしくて下を向いていた。すると、ナアマもその通りだと大きな声で言う。


「シモン、人間にしては分かっているではないか。何処かのバカとは大違いだ」


「なんだと、ナアマ。それは僕のことか」


「貴様以外に誰がいるんだ。これを見てみろ」


また、この二人の痴話喧嘩がはじまったよと思ったけど、ナアマの手にした物を見て、私は目が点になっていた。新たなアークエンジェルはまだ湧いてこないので、ランスロットたちも集まって来ていた。


「なんですか、これ?見た事ありませんが」


ランスロットは首を傾げるが、それは他の者も同様だった。それを持っているナアマも、それが何かは分かっていないようだった。


・・ドローン……・・


だけど、私は知っている。それは、間違いなくドローンだった。でも、何故ドローンがこの世界に、そして、このダンジョンを飛行していたのだろう?私が考えているとナアマの声が聞こえた。


「なんだ、キノコ。ドローンというのは……」


「あのね、ドローンというのは空を飛んで上空から様々な物を観察出来る機械だよ。でも、どうしてここを飛んでいたのか分からないよ」


「このドローンという物がどんな物かはよく分からないが、これが観察する為の物だと云うのなら答えは簡単だ。おそらくキノコを観察していたのだろう。先日の遠呂知の来襲といい、どうやらキノコは誰かに警戒されているようだな」


・・えっ、私っ……・・


私は驚いていた。誰が私なんかを観察しているんだろう。さっぱり見当がつかないよ。でも、そういえば前にこのダンジョンに来た時も、誰かに見られているような感じがあったのを思い出した。このダンジョンには何か秘密があるのだろうか。それに、剣と魔法のこの世界に、どうしてドローンのような機械文明があるのか、私の頭で理解出来なかった。


「サタンの言っていた遠呂知を操っていた奴らでしょうね。向こうはキノコさんが気になるようですね。これは気をつけないと、キノコさんは狙われているようです。キノコさんが不覚をとるなど考えられませんが、あの遠呂知のような神獸をまた操られたら、この星自体を破壊されかねません。これは急がないといけませんね」


イブリースの言葉で全員に緊張が走った時、またアークエンジェルが湧き出してきていた。今度は10体以上いるよ。10体倒せば1億グルトになる。これまで倒した分と合わせれば、クレアの貰ったお金を返しても、まだ充分残りそうだ。


・・みんな、速攻倒して引き上げるよ・・


私の号令でそれぞれ散っていった。私は、アリスの魔法での戦い方を参考にして、火球でアークエンジェルの足止めしてブラックホールで仕留めていた。


・・やった、上手くいったよ。無詠唱でブラックホールも発動出来た・・


私はご満悦だったが、アリスはガーンとショックを受けていた。


「私が苦労して会得したオリジナル魔法を、なんでリスちゃんは一度見ただけで簡単に使えるの。しかも、無詠唱なんて信じられないわよ」


「当然でしょう、アリス。キノコ様は神の使いです。あなたごときの魔法など使えて当たり前。あなたの方こそキノコ様と比べるなど恐れ多いですよ」


シモンにも追い討ちされアリスは激しく肩を落としていた。ごめんなさい、アリス。そんなつもりじゃないんだよ。私は、魔法を直接使用するのを止め、爪楊枝の剣を手に取った。


・・魔剣ダーインスレイブ・・


私は、魔剣を顕現させアークエンジェルに斬りかかった。


ズバァァッ!!


一撃でアークエンジェルの足を止め、連続攻撃を繰り出していく。


ズバッ、ズバッ、ズバッ、ズバッ、ズバッ


怒涛の連続攻撃でアークエンジェルは粒子となって消えていった。


「あの小さな体でキノコ殿は、我より早くアークエンジェルを倒すとは、信じられん」


「こらこら、トリスタン。あんたもキノコ様と比べるんじゃないよ。あんたはただの人間。神の使いであるキノコ様に怒られるよ」


シモンはトリスタンにも突っ込みを入れていたが、私は気の毒になってきていた。


・・ごめんなさい。もう私、手を出さないで見ているから……・・


私は、スタタッと前線を退いて仲間たちの戦いを見ていた。人類最強の勇者パーティーに魔王と私が見込んだ人間だ。手強い相手といえるアークエンジェルにも遅れをとる者はいなかった。




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