表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/59

15、神の使い


15、神の使い



「このコーヒーの味が分かるとは、イブリースとは違って基本が出来ているではないか。うんうん、見直したぞクレア」


「こんな時に、こんな場所で何を言っているのだナアマ。殺されたいのか」


「やるか、このひょろひょろ野郎」


馬車の中でも不穏な空気が漂っているが、私はそんな事には気づきもせず、ランスロットとアリスの間で決断を出せずに固まっていた。


・・どうしよう、二人とも本気みたいだよ。ここは、ランスロットに斬られて死んだふりすれば良いのかな。でも、そうしたらアリスが激昂しそうだし……。この魔法使い、動物好きなんて良い子なんだね。うわっ、もう不味いよ・・


私が悩んでいる間にランスロットとアリスは、それぞれ技と術を発動していた。


「聖光剣 ”天地無双斬”」


「光魔法 ”百花繚乱”」


聖剣の凄まじい斬撃と、魔法の凄まじい圧力が同時に襲ってくる。こんなのまともに浴びたらいくら勇者ランスロットと魔法使いアリスでも無事では済まないよ。ホントにコイツら仲間同士なの。私は、疑問に思ったが、このまま見ている訳にはいかない。私は、アリスの腕から飛び出すと二人の間に立ち、周りを覆うように多重シールドを展開した。物理と魔法、両方に対応するシールドだ。属性も分からなかったので全属性対応だよ。これなら私の魔力以上のエネルギーがなければ、シールドは破れない。人間界最強といっても、最強の魔法使いである私の魔力を上回る事など不可能だからね。


ギャーーーーーン!!


膨大なエネルギー同士が衝突する耳をつんざく轟音が響き渡り、辺りが真っ白に染まっていく。そして、その白い視界が澄んだ景色に戻った時、勇者ランスロットと魔法使いアリスは私に対して膝を折って頭を下げていた。


「やはり、あなたは……」


「リスちゃん、信じられないけど本当なんだね」


ランスロットとアリスが呟くが、私にはなんの事かさっぱり分からなかった。そして、よく見れば騎士トリスタンと僧侶シモンも膝をついて頭を下げている。


「シモンは神に仕える神官なのです。邪悪な者に怯える程やわな精神力ではありません。それが悪魔や魔王でもシモンの精神力が負ける事はありません。ですが、自分が仕える神に出会った時、自分が信仰する偉大な力を目の当たりにした時、恐れを抱くでしょう。私たちは、シモンが怯える事であなたが神ではないか思いました。だけど、それを装っている偽者であるかも知れないとも考えました。そこで、失礼ですがあなたの力を試させて貰う事にしました。私とアリス、どちらも光属性の技と術で攻撃しあったのです。あなたが神であれば、この術と技を止めるために飛び出してくるでしょう。もし、邪悪な者であれば無傷ではいられません。ですが、あなたはこのように傷一つ負わずに立っている。あなたは本物の神なのですね」


・・神……。私が……・・


確かに女神様の力を貰っているから、神と云えない事はないけど、そんな大袈裟なものじゃないよ。


・・でも、そうか……・・


私は、彼らが勘違いしているなら好都合だと考えていた。ここは、神に成りすましてやろう。私は、心の中で良いチャンスだよと思っていた。私は神ではないけれど、はったりも時には必要だよね。それを臨機応変に使えるのが一流の会社員なんだよ。私は、はったりで乗り切った契約を思い出していた。もちろん、契約後はそのはったりを現実にするため、こちらも相応の努力する。結果、相手先も満足してくれるのだ。私を、神だと思うならば、これから先も神だと思われるように努力していこう。私は、厳かに黒く丸い瞳を彼らに向けた。


・・よく分かりましたね、ランスロット。私は神の使いキノコです。私は、この争いの多い世界を平和にする為に降臨しました・・


私は、偉そうに話していると彼らは緊張した顔で静かに聴いている。どうやら本当に私を神の使いと思っているようだ。シモン以外は、私の言葉は分からないと思うのだけれど神妙に静かにしている。その僧侶シモンは、恐れと尊敬のいり混ざった瞳で私を見ていた。私は、本当は女神様から力を貰ったただのリスだから、多少罪悪感があるが、この世界を本当に平和にする為だから、許してね。私は、心の中で謝りながら続けていた。


・・良いですか、争いを起こす者を私は許しません。先日、ソドムの街が強大な魔物に襲われました。私は、その魔物を操っていた首謀者を探しています。あなたたちも、その首謀者を探すのに協力して下さい・・


私の言葉をシモンが、他の者にも伝えてくれた。すると、騎士トリスタンが、恐れながらと言ってきた。


・・なに?・・


私が、目を向けるとトリスタンはさらに頭を低くして、まるで土下座のような姿勢になっていた。いや、いくら私がリスでも、そこまで私に合わせて視線を下げることないのに。そう思いながらも私は、偉そうに腕を組んで立っている。


「東方の山岳地帯にあるダンジョンに”雲雀の舌”と呼ばれるアイテムがあると言います。そのアイテム”雲雀の舌”を所持する者は、どんな言葉でも話せるようになると言われています。我々には特に必要でなかったので、今までそのダンジョンの優先順位は低かったのですが、キノコ殿の為にそのアイテムを発掘に行くのをお許し下さいませんか。そのアイテムをキノコ殿に献上したいと思います。そうすれば、シモンの代弁ではなく、キノコ殿から直接言葉を頂けますので……。ですので、首謀者を探す前にダンジョン攻略に行かせて下さい」


・・ええっ、そんなアイテムがあるの。私が喋れるようになる……。そうすれば、呪文も唱えられるよ。呪文を唱えられれば……。ぐふふっ・・


私は、トリスタンの言葉で有頂天になっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ