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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

プロポーズ

作者: 北緯64度

バレンタインの夜、Aとカメラマンは展望台の1階で待機し、訪れたカップルたちにインタビューを行っていた。会社が用意した30束の花束は、インタビューに応じてくれた人に自由に選んでもらえるというものだった。


5束を配り終えたころ、金髪で眉にピアスをつけた若い男性がケーキを手にやってきて、自らインタビューを申し出た。カメラマンは彼が画面映えしないと感じ、Aに遠回しに断るよう示唆したが、その男性は突然指輪を取り出した。


話を聞くと、男性はこれから展望台の上階でプロポーズをするつもりだと話し、得意げに彼女とのツーショット写真を見せてきた。毎年ここでプロポーズを試みていたが、彼女の両親に反対され続け、今年になってようやく許可が出たのだという。


インタビューが終わり、Aが花束を選ぶよう促すと、男性は何度も謝罪を口にしながら大金を置いて、すべての花束を抱えて急いで立ち去った。Aは怒りをこらえながら仕事を続け、次のターゲットを探そうと振り向いたその瞬間、近くから鈍い衝撃音が聞こえた。


騒ぎの人だかりをかき分けていくと、Aの目に飛び込んできたのは、見覚えのある金髪、ケーキ、そして花束が、冷たく硬いコンクリートの地面に散乱し、その周囲を濃い赤色が静かに染めていく光景だった。


翌日、社会部を担当する同僚から、あの男性の彼女が先週交通事故で亡くなっていたこと、そして彼女の誕生日が偶然にもバレンタインデーだったことを知らされた。

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