「決闘!生徒会長をドーナツで買収!」
「毎度毎度生活指導されてんじゃないわよこの馬鹿!ミニスカート短過ぎんのよ!今日という日は駄目よ!例え市販だろうが自販機だろうがダメ!」
ぐっ!?今回のサナエ先輩は一味違う!?気迫に押しつぶされそうになったよ!
「あとアンタパンツの柄も気を付けなさい!パンチラJKってよく言われてんでしょ?エロは駄目よ!」
ぐはぁ!?
「そ、そっちだってエッチな下着穿いてるクセに!!」
「は、はぁ!?穿いてないわよ!?」
「ストッキングで隠しても見た事あるからね!!これに全てを賭ける!!このドーナツを食らえ!!」
私はクソ雑魚ピュア乙女ヘタレメンタルのサナエ先輩に最強のドーナツを見せた。
サナエ先輩はそれを見た瞬間に度肝を抜かれた。
その袋にはなんと、マスタードーナツ、訳してマスドの一番人気である数量限定【モチモチリングドーナツ】が五個入って来た二千円と高い値段を払ってこの日の為に買ってきたんだ!
「あ、ぁぁぁぁぁぁ!!そ、それそれそれそれ!!」
生徒会長でもあり一人暮らしでバイト掛け持ちしてるサナエ先輩は滅多に手に入れることが出来ない代物、こんなのアゲルなんて言ったらイチコロよ!
「く、ぐぅぅぅぅぅるるるるる!!!!!」
最早獰猛な獣の唸り声を上げながら欲しいと言わんばかりに手を伸ばし始めている。
「なら見逃して?あと私のスカートだけサナエ先輩がチェックして何も言わずに回れ右してくれればいいよ」
「このクソガキっ!!」
「あ〜そんな事言っちゃうんだ〜??いただきまーす」
本来なら私だって食べたい、苦虫を噛み潰した顔で見られながらイキって咀嚼音の唸り声ASMRを耳元で流してやりたい。
「許してくれる??あともう一個、トークアプリに追加していい?そっちの欲しい情報は逐一ね」
「クソガキがぁぁ!!分かったから寄越しなさい!」
「お手は?おかわりは?」
「は?」
「股を開きながら餌を待つと・・・いだだだだだ!!!やっぱり無しで!!ごめんって!!?」
ちょっと調子に乗りすぎて間合いを取られたところを背負投げされてみっちり怒られた。
だが交渉は成立したのでもうミニスカートの長さについてとやかく言われないだろう。
問題解決が終わりヘロヘロになって帰り際に上の階から見知った顔が降りてきた、物理的に。