「いじめ」その2
皆が帰る放課後、私も皆と早く帰ろうと支度していると教室のドアから茶髪でおかっぱの知らない女の子がコソコソ此方を見てくる。
変にソワソワしてて気になる、何だか直感が見て見ぬ振りはするとなと訴えてる。
教室を後にするとやはり小さい女の子が私を待っていた。
「せ、せんぱい・・・ゆ、ユカリ先輩ですか?」
☆★☆★ 校庭の近くにある休憩室
私は後輩の女の子を見るなり違和感を感じる。
やけにブカブカのブレザー、手元を隠している、頑張ってニコニコしてる。
「私に何か用かな?」
分析から始める。
「わ、私・・・一年Bのコノハって言います、えへへ」
気弱そうなのに変に笑う癖がある、あまり精神は大人びて無いかも。
「私・・・幼馴染が4人いるんですけど・・・最近冷たいなって」
私は五人の関係性を聞くことにした。
「えへへ、小学生の頃からの友達なんです♪初めてのお友達で嬉しくて・・・両親は共働きなので寂しさを埋めるには心地良くて」
少し悲しげな表情で語る。
「貧乏ですし他の男の子には蹴られたりいじめられましたがあの四人だけは友達で居てくれたんです♪」
「仲良かったんだ?」
「はい!髪を切られたり胸を揉まれたりよく怒られましたが友達でいてくれたんです!」
・・・・・ん?
彼女の顔がどんどん暗くなる。
「私、お金ないから身体で稼ぐって中学の幼馴染に言われて頑張ったんですよ♪風俗?っていうんですかね?」
「ちょっと待って、中学で?通るの?」
「幼馴染の一人がキャバクラで働いていたので♪中学生だからおじさん達が良くしてくれたんです♪でも・・・頑張って働いても九割は幼馴染にあげるんです♪」
彼女の顔が歪んだ。
「頑張って働いたんです・・・裸にされたりエッチなことされて・・・お持ち帰りされて・・・どんだけ汚れてもお金が貰えるからって・・・ぐす・・・幼馴染を信じて友達って呼んでくれるのが嬉しくて・・・」
大粒に溢れる雫、スカートが濡れる。私はそっと背中を擦る。
「でも何故か学校にバレて・・・両親は職を失い病死して・・・幼馴染からハブられるようになって・・・こんなに汚れたのに!」
少女は私に何かを渡してきた、それは初めて見るけど間違いない妊娠検査道具だ。
「わ、わたし・・・!妊娠したからって学校に暴露されて・・・皆・・・私をビッチって!!酷い言葉をかけられて・・・!幼馴染に汚いクソビッチって!!私が悪いのは分かってます!勝手に性行為を許したんですから・・・」
ボロボロと泣く彼女に返す言葉が見つからない。
「私、水道代も電気代も光熱費も払えないから毎日必死に生きてるのに・・・不潔って・・・」
彼女の痛みは計れない、でもその痛みを和らげるタイミングが来たらゆっくり包むように落とし所を見つけられるといいな。




