日常「お嬢様との協力生活?」
「おじゃましま〜す?」
連行されて連れて来られたのはよく見る一般家庭の内装だった。
(うわぁ、何も無いや・・・不動産屋で見かける内装のレイアウト写真そのまま貼り付けたみたい)
「ど、どう?」
お嬢様は私に反応して貰いたくてキョロキョロ見回しながら此方を窺う。
「えっと、質素だね?」
想像以上に困った反応に私は無難に答えるも逆にそれがいけなかったのか少しショックだった。
「やっぱり?私には何の個性も無いわ、ユカリちゃんも感じた?不動産から魅せられた内装を貼り付けられたみたいって」
危うく頷きそうになったけど何とか耐えて励ますのを試みる。
「お嬢様、これから増やせばいいよ!」
「っ?」
「えっ?」
言葉詰まらせると更に落ち込んだ。
「お、お嬢様!私、小腹が空いたかも!」
話題を変えようと一先ずリビングのソファーに腰を掛ける。
「どうしたの?」
少し不自然さがあったせいでお嬢様は気を使われたと肩を落とす。
「お嬢様って料理得意だよね?」
「うん」
「夕飯食べたいな〜♪」
その事はでお嬢様はぱあっと目を光らせた。
「実はね、いつかユカリちゃんが遊びに来る為に四六時中味を考えてきたの!」
出会って間もないけどちょっと怖い。
「さぁ、私のご飯を見て♪」
あんなに自信満々に啖呵を切って何を持って来るのか少し期待してたが・・・
「なんだ、ただのカレーか」
お嬢様もカレー作るんだーって内心期待外れで肩を落とすとお嬢様は食べてみてと催促する。
「ん〜いただきまーす」
もしかして凄い美味しいとか?少しだけ期待して口に運ぶ。
「どう!?」
「・・・・」
「ユカリちゃん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・味うっすい・・・」
やっぱりと肩を落とした私にお嬢様はまるで大切な人が亡くなったと同じくらい大泣きした。
次の日、クラスの皆に物凄い冷たい態度を取られた。
「ユカリちゃんさ・・・もうちょっと献身的な女の子を大事にしようね?」
隣に酷く落ち込むお嬢様に私は声を掛けても泣きそうになるので止めておいた。
「アスカちゃん・・・どうしよ」
私まで泣きたくなる光景にアスカちゃんは笑った。
「ユカリちゃんはもう少しユイさんの頑張りを認めてあげないと嫌われるよ?」
何故か友達からも冷ややかな目を見られ、最後にサナエちゃんに思い切り殴られた。
めちゃくちゃ怒られたし私もついに大泣きしてしまい収拾がつかなくなった。




