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「物騒な先生」

 ある日、帰りが遅くなり夜の十時を回って急いで帰っていた日、私は裏道を通って帰ることが多くその日も裏道を通った。


 だがしかしほぼ深夜の裏道なんか通った事が無いから少しだけ迷ってしまった。


 仕方なくスマホに電子マップで家を道のりを示してもらい帰ろうとしたその時、背後から誰かがやって来た。


 珍しくビビって振り返るとそこには反社せんせこと黒崎エインデせんせがいた。


「こんな夜遅くまで何をしてる?」


 いつもより重いトーンに経緯を説明すると少し溜息を吐いた。


「仲間と盛り上がるのは仕方ないがお前の家に帰るまで最低二十分掛かるだろ?もう少し早く帰宅する準備を整えた方が良い」


「ごめんなさい」


「夜は不吉で物騒だ、お前見たいな女は明るい場所が似合う、これに懲りたら早く帰宅する心掛けを持つと良い、泊まり込むのもありなんだろ?」


 普通にせんせとして怒られて謝ることしか出来ない。


 お説教を終えて私はせんせの右手から赤い液体が流れてるのをスマホの明かりでチラ見した。


「帰りには気を付けろ」


 何だか嫌な予感がして早く帰ろうとちょっとした会話をして去り際に振り返ると右手に持っている物が街灯に一瞬照らされた。


 明らかに動物を倒したとおうより人間を倒したの方が近い赤黒い液体が地面に流れている。


 私は一気に青ざめて早急に立ち去ることにした。


「夜は不吉だ、早めに帰るんだな」


 あの時のせんせはいつもと違っていた。


 まるで本当の反社の人みたいだった。


「あはは〜せんせは顔怖いよ?叱られちゃったので今日は早めに帰りますね!」


 不思議な人なのは出会った時から感じてたけど今日は何だか殺気があって怖かった。


 それに・・・本当に反社じゃない・・・よね?


☆★☆★ 


「行ったか・・・」


 始末完了、帰るか。


 また一人、社会に必要ないモノを排除した俺は桜に渡してある部室の鍵と一緒にペンギンのキーホルダーが付いてあるのを再確認する。


「問題なし、少し恐怖を与えてしまったが俺が明日作るスムージーに細工するか・・・」


 彼女に過度に恐怖を与える必要無い。


 こうして飲ましたお陰で無事ユカリのあの夜について忘れる事が出来た。


 これで本当に任務完了と言うことだな。

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