「部活」その1
放課後、私は帰って寝ようと考え、とある部活に一言声を掛けようと三階に移動する。
この校舎は三階建てなのに使われてない個室が多く噂では沢山の人達が来ることを想定して造られたのだが外部の方で問題が起きてイジメや自殺、先生が生徒に強姦したりと様々な問題が多発して今は大分マシになったが一部では自殺の名所と言われて後が絶たない。
それなのに潰れてないのは全校長や教頭、先生達が結果を残し、第一高等学校にも負けないくらいの催し物が沢山あり、何より【美少女】が滅茶苦茶多い。
そんな訳で私は無駄に余った個室を使って友達が立ち上げた【お助け組部】と反社みたいな名前だがメンバーは凄腕だらけで問題なし。
いつもは二人いるはずだけと今日は何人いるのかな?
私はドアノブを回そうとすると中から見知ったキレボイスが聴こえる、然りげ無く入るとやはり友達だった。
「あぁっ!!クソ!!また止まったぁぁ!!うわぁぁんん!もう〜!これマジで実況撮れんのかな!?」
ゲームにキレて台パンする少女霧務霧ちゃん。彼女はクソゲー実況者【きりきりのゲームチャンネル】のアカウントの主で登録者は二十万人もいる。
SNSではフォロワーが十万人もいるが大体はクソゲーをリクエストするので嬉しいのか嬉しくないか微妙らしい。
栗色の髪の長さがアンバランスのボブヘアーと茶色の瞳が特徴的、因みに制服のリボンは面倒くさくて着けてない。
「あっ、ユカリちゃん!」
クソゲーにイライラしながらコントローラー地面に投げつけて気付くと目をキラキラ輝かせながら早足でこちらに向かって来た。
「今年もきりきりチャンネル宜しく☆」
「はいはい、たまには普通のゲームやりなよ?」
キリちゃんから弾丸の如くこの前プレイしたクソゲーについてほぼ文句を垂れ流しにされてフォローするの疲れた。
「今週中に動画上げるから暇なら見に来てね〜」
「もち、ところでもう一人は?」
さぁ?とちょっと腹立つ動きをするも他のメンバーの情報は得られなかった。
「そんな事よりさ、このゲーム試しにやら――― 」
「嫌だ」
「なんでさ!?神ゲーかもし知んないよ?」
「私はそう言われて一度も神ゲーをプレイしたことない!」
いや、さっきコントローラー投げてましたよね?
彼女のやるゲームは大体変なジャンルか文字通りクソゲーをやらされるので強い反発感と拒否を示すも駄々こね始めたのでこれ以上断ると文字通り何でもしてくる。
この前なんか財布盗られたし油断も隙もない。
「ユカリちゃん、アタシは日々退屈な日常を変えたい・・・それには君が必要だ」
「私は君を必要としてないから帰るね?」
「うわあぁぁぁぁぁんんんんん!!!!!!!サイテー!悪女!」
取り敢えず帰るかな、キリちゃんが泣きつきながらびーびー文句垂れてるけど本心だから仕方ない。
「また暇なら一緒に遊びに連れくから今日は許してよ?」
「デート?」
「うん、お泊りしてもいいからさ」
「それなら許す」
大体はデートに誘うと許してくれる素直な娘、私はスパチャ代をあげると飛びながら喜んでくれた。
単純で守銭奴だけど私の大切な可愛い友達。ゲームの楽しさも彼女から影響を受けたもの。
出会いは同じゲームのイベントで知り合った。まさか別クラスの人とは知らず意気投合してその後からはよく一緒に遊ぶ一人になるほど友好関係になった。
私は皆に宜しく伝えてと発言した後にグラウンドで応援として行ってる友達にも顔を出したくて知らない内に早歩きしていた。