「皇由」
入って来た途端に香るお嬢様感、髪はふわふわしてて後ろの髪はお嬢様結びにして大きな赤色のリボンがよく見える。
顔は完全にお姉さんのような顔立ちとモチモチしてそうな柔肌、うちはブレザーが主体なのに丸みがくっきり見える程大きく柔らかく張りのある胸が歩くたびに揺れる揺れて皆の視線がそっちに向くり
「わーお」
思わず声が漏れるほどの巨乳美少女にクラスメイト達も声が出る。
体型は安産型なのに下半身は華奢はレベル高すぎる。
「なんて書いてあるの?」
「ええっと?なんとかゆい?」
黒板に書かれた文字に前の席にいる前髪ぱっつん、ボブカットが特徴的な私の可愛い友達、【日向チヨ】ちゃんに聞くも『皇』が分からないみたい。
「私立菊花第一高等学校から来ました皇由です、皆様とは二年間しか一緒に学べませんがどうか宜しくお願い致します」
声がとてもふわふわしてて優しい天使のようなおっとりとした可愛らしい声にクラス全員が胸キュンしてる。
【私立菊花第一高等学校】って・・・日本の私立の中でも化け物レベルの高い学校じゃね?確か入る条件は前科目九十点以上が合格ラインとか・・・私達みたいな普通は大体真桜、元々は女子校だったけど今年からは数人男の子を入れるようになった程度なのに??
それに比べてクソレベ低いのにこのお嬢様は一体何しに来たのだろうか?
「やばい、眠くなってきちゃった・・・むにゃ」
お嬢様が面白くなさそうな校長せんせの与太話みたいな挨拶の会話を聞いてると昨日は夜遅くまで友人とゲームしてて睡魔が襲ってきた。
本能に従いちょっとだけ目を瞑るといつの間にか夢の世界へ・・・夜更かしてつい・・・
「それじゃあユイちゃん、ユカリちゃんの隣ね」
ついに居眠りしてしまい覚醒した頃には互いに軽く挨拶を交わして席に着いた。
「・・・」
ん?なんか私の事じっと見てた?気の所為だよね?
寝たのが不服だったのか最悪の出だしを迎えて休み時間に来こうかな?と考えたがクラス中で質問責め受けてるみたいだからお昼まで落ち着かなかった。
☆★☆★ 昼
私のお気に入りスポットである屋上へ向かい太陽を浴びる。大体の人は中で食べるけど私は風を感じながら優雅に食事を楽しむ。
私がこの学校で唯一自慢出来るのは圧倒的友達の多さ、先生とも仲が良くて一年前とは比べ物にならない程充実してる。
でも今日は気分が乗らなくて一人屋上に行くとそこには先客が待っていた。
あの時と同じ甘い香りと優しそうなお姉さんの雰囲気を持つお嬢様が一人で敷物を広げていた。
「あら?サクラさんも外で食べる派なの?」
私を見つけるなりキラキラ目を輝かせながら小走りで近付く。見つめられたら引き込まれそうで少し危なかった。
「い、い、い、い、一緒に食べない?」
不自然なくらいに汗をかいたお嬢様の誘いに私は軽く頷き床にお店を開く、購買部で買ってきたジャンクフードの海に我ながら天晴だ。
「さ、サクラさん、茶色ばっか・・・栄養足りてないよ?」
「これが栄養源なのでいいんです〜」
お嬢様の弁当を見ると食欲失せるくらいにカラフル。
「逆にお嬢様の、なにそれ?」
「今日は豆腐とささみと豆苗を使ってアレンジ料理だよ♪」
「うげぇ・・・」
お嬢様は馬鹿みたいに料理に拘るもんなんだね・・・絶対美味しくないでしょ・・・
健康に良さそうな物が沢山あってげんなりする私に飲み物を見ると多分健康促進させるトマトジュース。
こいつマジ?学校来て栄養の事しか考えてないの??
「もし良かったら食べてみる?」
私はまじまじと見る弁当にユイさんは気を利かせて聞いてきた。
私は一応食べてみる。
「・・・味うっすい・・・」
個人的には野菜とか嫌いじゃないけどなんか妙に味が薄い。
「そ、そう?」
余程ショックだったのかな凄く申し訳無さそうに謝った。
「うん、病院食みたいで・・・あ、ごめん・・・食べさせてくれたのに悪口言っちゃった」
気にしないでと微笑むも内心凄く傷ついてるのが顔を見て判断した。
「わ、私のもどう?お嬢様の口に合うならいいけど」
購買部で一番好きな唐揚げを食べさせてあげるもあまり良い反応はしてくれなかった。
「味が濃い・・・肉々しくて顎が疲れる・・・脂分も多くて肌に悪そう・・・明日に響かないといいけど」
私とお嬢様では舌が違い過ぎて全然駄目だった。折角の食事が微妙な時間を作ってしまった。
やっぱりお嬢様っぽいし家でさぞ贅沢な暮らしとかしてそう。
「ごめんなさい・・・貴女の時間無駄にしちゃった」
「私もお嬢様の貴重な時間取らせてごめん、もうすぐ授業になるし早く戻ろっか」
なんとも言えない時間を過ごし、放課後までユイさんと話すことは無かった。
完全に触れ合いを失敗して互いの間に変な空間が出来てしまい話す事も億劫だった。
でもあの時のお嬢様、可愛かったな。