日常「ユカリちゃんはお馬鹿の子〜皆でテスト見せ合い編」
「皆、中間テスト返ってきたよね?」
「おうよ」
「もち」
「うん!」
紫陽花が咲き始めの頃、今日は生憎の曇天の空から雨粒が落ちてきそう。
雨は陰鬱のイメージがあるからそんな中ユカリちゃん達が集まってテストを見せ合っていた。
「何やってるの?」
興味本位で向かうと外は重いのに中は明るいユカリちゃんがいるから滅入る気持ちが和らぐ。
「まずは私から・・・現代文30、古典30、数学28、物理30、歴史39、英語30!」
え、低い・・・つい漏らしそうな言葉を押し殺した。
「アタシ英語30点以外全部赤点!!」
え・・・・・・?
「ウチは全部赤点とってん☆ちょーとキツイ!でも今回は勉強出来る時間なかったしショーナシじゃん??」
皆で盛り上がってる中、私は独りで頭を悩んでる。
(私の点数・・・見せないほうが良いよね?)
話を合わせるのも難しいし苦手、そんな時東君が小馬鹿にしながらユカリちゃんの机をを囲んでる真ん中に叩きつけた。
「うそ、現代文35点!?」
なんで皆こんな点数で驚愕してるのか東君が誇らしげに煽ってるのか分からない。
「私達が到達してない点数を出すなんてもしかして勉強した!?」
「は、たまたま官能小説読んでたら出た漢字があったのさ」
ユカリちゃん達、よく分からないけど楽しそう??
「でも凄いね、まさか【用いる】が読めるなんて!!」
「アタシぜんっぜん!分かんなくねムズ!!って思ったもん!」
「それに皇なんて訳わかんないよね!!」
「「ね〜♪」」
わ、私の苗字なのに・・・??皆、こんなレベルなの??私がおかしいの??
疑心暗鬼になる私に急にユカリちゃんが私のテスト用紙を奪われた。
「流石お嬢様だね♪」
皆は軽く一言コメントして次の授業の用意をし始めた。
「え、えぇぇぇ・・・?」
あんなに盛り上がってたのに私がシラケさせたみたいな雰囲気で終わった。
同年齢の付き合いってやっぱり一筋縄ではいかないのかも。




