「転校生による変革」
西暦三千五百年、日本は未来化計画により高度経済成期が再び訪れこれにより日本はアメリカと同じくらいまでに発展を遂げた、建物自体は特に変わっては無いが自動運転車やAIの普及、新たな化学物質Mが作られた。
それは万物全てに調和し極限まで能力を上げてくれる代物でガソリンに入れれば半ば無限に液体が増え、機械に組み込めばAIが任された仕事を何でもこなせるように進化させ、動物に注入すればどんな生物だろうが飼い慣らすことが出来る。
最強の物質でもあり作製費用は桁外れに高いが一度作れば少ない粒子を分けて一日経つだけで元の粒子と同じくらいになる。
最強の調和物質は世界からとても有力視され一時は戦争の種になり第三次世界大戦が開かれたと歴史に書いてあった。
でも史実ではアメリカとロシアによる研究結果によりその戦争はすぐに終わったみたい。
何故かって?この物質のせいで危うく日本が滅ぶところだったって先生が言ってたからだよ。
解決策を見つけるまで千年掛かり今は財産として扱われるようになるまで民衆から【滅びの物質】と呼ばれ製作する度に汚染度が増え、有害毒素が漏れ出しそれを含んだガスや放射能汚染、食べ物、空気が人間を殺す物質となり九割の人間が死滅したって。
政府は何とか安全にする為に埋め立て地を色んな箇所に作り千年で漸く安全に作ることができ、有害な物質は九割減らす専用の施設を作って今の平和が築かれたって。
この悲惨な出来事は世界中に知れ渡り色んな意味で日本を攻撃する国は激減した。今でこそ元の平和な日本になったけど寝てる間に九割の人間が死んだってなるといくら安全と言えど誰も欲しがらないよね。
火山の噴火も何度も起きたのに死者が数万人しか出なかったのはそもそも生きてる人間が少ないから土地が壊れようが当時の頑丈なシェルターで防げたのが生存できた理由だとか・・・
う〜ん!これまで起きた歴史について授業があったけど今でも理解できてない!
ま、そんな事は置いといて前置きが長くなっちゃった、そんな日本の埋め立て地の都市で育った私はゆかり、ごくフツーの家庭に生まれてフツーに過ごしてきた一般凡人、高校入学の為に一人暮らしがしたいと親に熱念して許しを得て今年で十七。
強いて言うなら趣味がスカートとぬいぐるみ集めぐらいでそこそこ女子力あると思う。
正直女子力ってよく分かってないけど女っぽいでいいんだよね?
真桜高校は四月になると校門近くの道が桜で溢れて結構映える。今日も何枚か撮ったし友達に見せたらキャーキャー言われてちょっと失敗した。
四月だからそわそわしたり話題が尽きない話が多いけどクラスが変わったり人が変わっても私には特に大差ないって感じ。
あの人達は相変わらず元気かな?部活はまだあるみたいだけど私は何処にも所属してないしバイトもしてないけど最近金欠気味だし何かやろうかな?
思いに耽ってると前の席で盛り上がってる、私の席はなんといっても端奥の窓際☆最強ポジ獲得して内心ガッツポーズしてる。
横の席はまだ空いてる、初日から休みなのかな?
「聞いた?」
「転校生でしょ!?ユカリちゃんの隣だって!」
「しかも私見たんだ〜!!名門家のお嬢様だって!」
「あたしも見た!!おっぱいデカすぎじゃない!?」
「美少女巨乳か・・・我儘じゃん!?」
「彼氏とかいるかな?」
「決められてそうだよね!!」
「箱入り娘とか?」
「ありじゃない!?」
新年早々クラスの女の子達は転校生についての話題に持ちきりだった。
あまりにもその話題ばかりで少し退屈してると新しい担任が入って来た、名前はアヤせんせ。焦げ茶のセミロングで少し着崩したセクシーむんむんの若い先生だ。
「皆〜そわそわしてるのは分かるけど転校生ちゃんが怖がらせないようね〜♪」
ねっとりと甘い声色が特徴的な先生は自己紹介し終えると物腰柔らかなアヤ先生は転校生の名前を書き始めた、いつ見てもセーターからくっきり見える程大きい胸の揺れに釘付けになる。
転校生は機を見て見計らうタイミングで扉を開けて入ると同時にアヤ先生は書き終えた。
なんやかんやで私も心の中でどれほど美人なのか期待していて私達はその姿に一同騒然となった。