「加入の条件」
普通に格闘振ったら護身術に負けたのでサナエ先輩は帰れと息を切らしながら追い出そうとする。
私は抱き着いて最後のおねだりを賭ける。
「も〜!!分かったから!!面倒くさいわね!!“二月に行われた期末テストで私より点数が上でいれば加入する”、これで良いでしょ!」
「先輩の点数は?」
「全部九十五点よ」
「無理ゲーだ!」
「生徒会長と兼用して提示してやったんだからアンタの力で頑張りなさいよ」
そう言われてついに追い出されてしまった。
無理ゲー過ぎるレベルに私は渡すことか無かったドーナツを食べながら廊下の曲がり角を歩くとバッタリお嬢様に出会った。
「ぐ、偶然だね!?」
私を見るなりたじろぐ姿になんか怪しい、顔も赤いしちょっと揺さぶってみようかな。
「ここ使ってない空き部屋と生徒会室しかないけど生徒会室に用があるの?」
顔が更に赤くなるお嬢様はワタワタしながら頷いた。嘘下手というか慣れてないというのか新鮮な感じだ。
「お嬢様、生徒会室って先生か呼び出された人しか来ない場所だよ?しかも大抵は為出かした人、本当に偶然なの?」
少し圧をかけるもお嬢様はあっさりとごめんなさいと自白した。
優しい雰囲気のあるお嬢様を相手にするのはちょっと荷が重いや。
「実はその・・・今日は先生に転校してきたから提出物を渡しに行った帰りに君が来てるってアヤ先生に言われて一緒に帰れるかなってついてきちゃった」
可愛すぎる理由に私の邪のせいで胸が痛いぞ?
「声掛けれてくれれば良かったのに」
「め、迷惑かなって・・・図々しいかなって・・・君が、君と一緒に帰りたくて・・・一人は寂しいから・・・」
ヤバいくらいに可愛い。こんな純粋に帰りたいって言われたの初めてでこっちまで頬が熱くなる。
「ふふ、なら一緒に帰る?」
「い、いいの?まだ問題解決してないよね?」
盗み聞きとはちゃっかりしてるな。
「盗み聞きしたね?」
「ご、ごめんなさい!楽しそうだったから・・・」
じゃれ合いに見えたのか・・・私はお嬢様の手を取り帰ろうと引っ張る。
問題は何も解決してないけど可愛いお嬢様が純粋に一緒に帰りたいなんて言われたら明日また考えよう気持ちになった。
もしかしたらお嬢様も加入してくれるかもしれないし頭も良さそうだから然りげ無く聞いてみてもありかな?
邪念混じりだけどお嬢様はとても幸せそうに頷きながら一緒に帰ることにした。