「セコい手」
☆★☆★ 生徒徒会室にて
「サナエ先輩〜部活入って☆」
発言した瞬間に本が飛んできたのでギリギリ回避する。
「クソガキ、私は生徒会長よ?アンタ達みたいな暇人お騒がせ部に肩入れする暇じゃないのよ」
高圧的な高飛車お嬢様風一般人は眉間に皺を寄せてドスの効いた声で威圧する。
「学年一位だし家が貧乏でしょ?加入して欲しいな〜活動したらお金入るよ?」
「事情は耳にしてるわ、だから却下よ、ほら、回れ右」
私を追い出そうと背中を押された。だけど私は諦めない、全ては私の平和の為に。
「廃部は困るの」
「お助け部なんてくだらない社会貢献するよりもっと現実味ある部活にしたら?」
「帰宅部?」
「アンタの能力なら新聞部は?」
「陰気クサいしヤだよ」
「なら陸上部は?アスカとかセナとかいるでしょ?」
「二人は臨時で部活には入ってないよ、汗臭くなるの嫌だし運動そんなにだし」
「な、なら料理研究会は?」
「食べる専門だしなんなら私専属の美人主婦紹介してくれない?」
私はよく回る舌に痺れを切らしたのか頬を思い切り引っ張られてしまった。
「碌でもない女ね!!」
「ケチで高圧的な偽お嬢様よりかはマシだよ?」
痛いって!?そんなに頬伸ばされたらゴム人間になっちゃうよ!!?
「さなへしゃんおねきゃい・・・兼用しへ」
説得虚しく普通に殴られました。
☆★☆★ 二十分後
「・・・はぁ〜」
何度も説得したけどいつの間にかじゃれ合いに発展して遊び疲れてしまった。
疲労したサナエ先輩は隠れて財布を確認したので私はすかさず財布を盗る。
「残金五百円・・・ふーん?」
「返しなさいよ馬鹿!」
やだよーとちょっとだけ意地悪するとぷくっと頬を膨らませながら涙目になってしまった。
「お金・・・欲しくない?」
「いいわよ別に」
「お金って大事だよ?ナイスバディで頭脳明晰の将来有望なお姉さんが貧乏だなんて考えられないでしょ?」
「し、将来の投資よ!お金が無いわけじゃないわよ!」
「将来の貯金に回し過ぎて栄養失調や肥満になったら元も子もないけどね?」
「うっさい!どうせ貧乏よ・・・貯金しないと結婚した後も考えれないし・・・」
「結婚した後も貯金しそうだからどのみち駄目かもね」
財布を返し私は何としてでも手に入れたく煽ってみることにする。この人、ツンデレでプライドが高いけど情に凄く弱く本当は面倒見が良くて優しいお姉さんって一年生の時に気付いた。
私が虐められてた時に最初に手を伸ばしてくれた恩人だ、尊敬はしてる、けど知り合うと面倒くさい性格だと同時に分かったので持ちつ持たれつの関係になった。
「ふん!一年生の時はあんなに可愛かったのに今じゃ腐れクソガキね」
「残金五百円の人は心も窮屈なんだね?」
「喧嘩なら買うわよ?」
「よーし!最近まで格闘習ってたからぶちのめしてやるよ!」
関係は悪化したけどやっぱりこの人は欲しい。
可愛いヘタレ先輩との争いは何気ない会話から始まるのであった。
因みにコテンパンに負けました。




