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オーダーボイス  作者: ミラ
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色づいていく俺の心

初めての投稿です。暖かい目で見てほしいです。馬鹿なのでところどころ言葉の使い方がおかしかったり、話が矛盾してるかもしれません。まぁ、変人の自己満足だと思って見てくださいね。


 周りに人気は感じられない、校門のすぐ出た所に、一人の青年が立っていた。青年はその青い空を見上げ、到底届かないであろう雲を見つけると手を伸ばし、俺、紙詩夢歌は心の中でつぶやいた。


「もし、俺が変な力を持っていたら…怖がるか」


 もちろん。誰も答えはしなかった。さかし、一人の人間の影が脳裏にフラッシュバックのように現れる。教室の窓の外の方へと体を向けて立っている少女がそこに居た。それを口を開けて見ている俺の方へと顔を此方へゆっくりと向けながら言った。


「夢歌くんは怖くないよ。優しいもん」


そういった途端、場面は教室から海へと変わり、一人の白いワンピースを纏ったさっきとは違う少女が振り返りながら言う。


「お前のことなんて怖くないさ」


 誰なんだ。


 砂浜に腰をおろし、片方の膝を立てそこに   腕を置きながらそういった。


 知ってるはず。


 しらない。


 だとしても、貴方は私を知っている。


「はぁ…」


 俺はため息をつく。なんなんだよ。そうつぶやいた。


 家に戻っても、おかえりを言ってくれる人はいなかった。もう慣れたから今更どうとも思わない、しかし、常に独りというのは人間としてのなにかを失いそうで怖かった。一人じゃ無駄に広いこのマンションの一つの部屋の片隅で小さく縮こまっていた。


 ご飯を作る気力がなかったから、近くのコンビニへと向かった。ポケットにはいくつか小銭を入れている。飲み物と弁当は余裕で買うことができるだろう。音楽を聞こうとする意思さえ芽生えなかったから、ただ無音。いや、自分の足音と、通り過ぎる家から聞こえる、楽しくはしゃぐ子どもと、楽しそうに笑う親の声だった。


 少し歩くと、真っ直ぐにコンビニの光が目に入る。中に入ってまず、弁当を探した。今日、一番最初に目に入ったのがオムライスダッタから俺はそれを手に取り、その後飲み物をと、と思い飲み物が置かれている棚へと向かう。何を飲むか選んでいると、隣に一人の少女がやってきた。俺より身長の引くい、女子。深く帽子を被っていて顔はよく見えなかったが、髪は長めだった。そんな彼女に俺は見覚えがある気がして、少しの間飲み物を選ぶ彼女の横姿を見ていた。ボーっとしていると、すでに彼女は飲み物を選び終えたらしく、その場にはいなかつまた。


「……何してんだろ」


だなんてつぶやきながら、エナジードリンクを手にとって会計へと向かう。会計が終わる頃に、違うレジで会計をしていた彼女がちょうど店から出ていった。俺もそれを追うようにして店を出た。


 外は意外と寒く、もう少し厚着で来ればよかったと後悔する。すでに外は真っ暗で家の光や街灯が頼り。店を出るときに、駐車場から出ようとする彼女の姿を見つける。何を思ったのか、また俺は彼女のことを見つめていた。この時、少し冷たい風が吹いて、俺の体を震わせた。その時だった、俺の頭に何か届く感じがしたのは。嫌な予感…見たいのを初めての体験した。そして、それがあたってしまうという体験をした。


 駐車場に荒々しく入ってくる黒い大きな車。その車は、駐車場を出ようとする彼女の目の前で止まって、勢いよくドアが開き、戸惑って立ち止まる彼女を一人の男が強引に車の中へといれる。最初は抵抗していたものの、力で負けて車の中に入れられると、車はさっそうと駐車場から出ていった。


 そんな光景を見て、俺はただ立って見ているだけだった。


 自分には関係ないこと。


「そうだよ…」


 そう…そうだよ!たまたま会った人間、たまたま居合わせた現場。もしかしたら家の迎えかもしれない、勝手に勘違いして。たとえ、誘拐でもコンビニのカメラで顔が写ってるしすぐに見つかるさ。


 俺はそう自分に言い聞かせた。だけど、全くなっとくできなかった。これほどいろいろな理由を言って、立ち去ろうとしているが、本当の理由は


「…怖い」


 ただそれだけだ。今にでも崩れ落ちそうなほど震えている足に、乱れる呼吸。力が入ったり抜けたりをする肩。全部怖いだけ。そう、怖いんだ。巻き込まれるのが、自分が何か変わってしまうのが。そう、俺は…消えたかったんだ。



『本当にそれでいいの?』



「?!」


 驚いて、思わず顔を上げる。あたりを見渡すが誰もいない。いるのは駐車場で一人、俺縮こまる俺だけだ。だけど、今のは聞き間違いでもなんでもない。絶対に、誰かに話しかけられた。これは…勘違いなんかじゃない。


 俺は立ち上がって、頭を押さえる。今さっきの出来事から、なぜか湧き上がってくる勇気、そして熱くなってくる体。俺は今さっきの問いに答えるように叫んだ。


「いいわけ…ないだろ!」


そうすると、すでに俺は走り出していた。


 すでに見失っていた車の行先がなぜか当たり前のように頭に入ってきていた。まるで誰かに教えてもらっているように。これまでにないほどの速さで走っているのに疲れない。


 そして、ついにたどり着いた。


「誰だ」


真っ暗な路地に3人の男と、一人の少女が手足を縛られ口をガムテープで塞がれていた。その中の身長の高い一人の男が此方へと今すぐ立ち去れ…と言わんばかりの表情で睨んできた。しかし、俺はそんなものにひるまなかった。


「痛い目見ねぇとわかんねぇみたいだよなぁ」


そう言って、指をポキポキと鳴らしながら俺の方へと歩み寄ってくる。そんな中、俺は地面に押さえつけれている彼女へと視線を向ける。


 泣いていたんだ。とっても悲しそうな顔をして、つらそうな顔をして。


「あぁぁぁあああああああああああああああああ!!!!」


そう叫んで、俺は今さっき買ったエナジードリンクを手に握り思いっきり走った。その勢いで大きく飛び跳ね男の顔面に缶を叩きつけた。突然の攻撃に対応できなかった男は地面へと倒れるが、俺は攻撃をやめなかった。男の上にまたがって何度も何度も顔面を叩きつけた。男が気を失うと同時に、彼女を押さえつけていた男二人が鉄パイプを持って俺の方へと向かってきた。


「クソガキがぁ!」


そう言いながら一人の男が俺の顔面狙って鉄パイプを振りかざす。その攻撃を俺は右腕でなんとか防ぐ。しかし、もう一人の男が俺の頭に後ろから鉄パイプで殴ってきた。その攻撃を俺はまともに受けてしまった。


 一回倒れて、立ち上がろうとしたときだった、男が俺の腹を思いっきり蹴った。少し飛ばされると、もう一人が俺の腕を掴んで拘束する。勝手に立たされた俺の眼の前には今さっき気絶してた男が立ち上がっていた。


 俺はもう死ぬかもしれない。そんな事しか考えられなかった。両腕を捕まれ、動けない中、目の前のやつは鉄パイプを握ってる。朦朧とする意識のなかで、この状況から抜け出せる気なんてしなかった。


 ついに、男が腕を大きく振り上げた時だった。俺の瞳に偶然彼女が写った。地面にこすりつけてガムテープを外したらしい彼女。すると、彼女は大きく叫ぶように言った。その言葉が、真っ白になった俺の頭に響いた。


「生きて!」


その瞬間。俺の体を紫色のオーラみたいのが包んだ。そして、そのオーラが男たちの方へと向かっていく。


 そして、俺は叫んだ。


「俺から…離れろ!!」


それと同時に、紫のオーラがより一層濃くなったと思うと、振りかざされ頭に当たる寸前だった鉄パイプが止まり、男達は俺から離れていった。しかし、一人が正気に戻り、鉄パイプを握って向かってきた。俺は今さっきの事を繰り返す。


「ひざまずけ」


「?!」


その瞬間、男はひざまずく。


「…二度と、俺と彼女の前に現れるな。そして、罪を認め自首しろ」


「……はい」


鉄パイプが地面に転がり、男達は路地から出ていった。


 ふと視線をやると、彼女が居た。俺は彼女を縛る結束バンドに触れて


「溶けろ」


と言った。すると、その結束バンドは液体のようになって彼女の拘束を解いた。


 俺は大きく息を吸って吐いた。そして、久しぶりに使った力のせいか昔のことを重い球してしまった。


 小学生ぐらいのときに、一人の女の子がいじめられていた。もう誰だか覚えてないけど、その子がある日突然クラスの奴らにいじめられるようになった。給食の中に蛙を入れられたり、水道の水ぶっかけられたり、下駄履にカラスの死体が入れられてたり。そんな事がほぼ毎日続いた。だけど、教師も教師でなにも動かなかった。俺はそんな光景を見て


「全員死ね」と思いながら過ごしていた。


 そんなある日だった。下駄履から靴を取り出して帰ろうと玄関を出た時だった。


門の前で、いじめっ子がその女の子を掴んで、また違ういじめっ子がバッタを食わせようとしていた。その周りにいたやつはゲラゲラ笑ってて、教師は逃げるように職員室に入っていった。その時、女の子を囲う集団の隙間からその女の子の表情が見えた。


 力の入ってない足にがくがく震えた口、頬を通る大量の涙。なのに、女の子は抵抗しようとはしなかった。


「そんなのって…そんなのって」


俺はその場でランドセルを投げ捨ててその集団の中に突っ走った。


 バッタ持ってるやつの顔面がぐちゃぐちゃになるまで殴って、腕掴んでる奴を泣くまで殴って…。そして、俺はその集団に行った。


「全員…俺とこいつの前から消えろ!!」


その時だった。全身から紫色のオーラがでて、集団の奴らに流れていく。すると、集団は素早く俺と女の子の前から消えた。


 後日。俺は先生に怒られた。


それ以来だった、なにかに関わるのが怖くなって、この変な力を忘れようとしたのも全部見て見ぬふりしようとしたのも。


だけど、いじめはなくなった。 


だけど、おれは全部失った。


だけど、女の子は俺のそばにはずっといてくれた。そしてそいつと同じ中学に行って……いつもここまでしか思い出せない。


「もう…なんなんだよ」



 俺は彼女に目を合わせて


「大丈夫?」


おれがそう聞くと、彼女は微笑んだ。


「助けてくれて…ありがとう」


「!」


久々に言われた。そんな感想が一番最初に出てきた。なんでか照れくさくなって立ち上がった。


「じゃ、じゃあな」


そういって、俺は路地を出た



 トットットットッ


 それにしても、一人にしてよかったのか?男なら家まで送ったほうが良かったか?


 トットットットッ


 いや、突然家まで送るだなんて言ったらそれは、気持ちが悪いか。


 トットットットッ


 さっきから後ろになにかいる気がするんだよな。まぁ気のせ…


 トットットットッ


「誰だよ!!」


 俺は驚いた。後ろを付けていたのは今さっきの彼女だったのだから。


「……うわっ。驚いた」


「時差すご」


俺がそうツッコむと彼女は「フフ」と笑った。


 その笑顔に俺は少しの間見とれてしまった。久しぶりに…俺に笑ってくれる人が…


「……で、なんでつけてきたんだよ」


すると、彼女はモジモジし始める。少しの間黙っていると顔を赤くした彼女が恥ずかしそうに言った。


「一人で帰るのが…怖くて」


…………かわいい


 頬が熱くなってきた。だけど、それを知らんぷりして、俺は答える。


「…わかった。送るよ」


俺は続ける。


「…名前は」


「あっ…私は望月餅絵です」


「餅絵…ね。俺は紙詩夢歌。よ、よろしく」


「ええ」


すると、彼女は言った。


「私、怪我の処置ぐらいだったらできるんで安心してください」


「……え?」


その瞬間、俺は今さっきの出来事を思い出した。


思いっきり鉄パイプで殴られた腕に頭。すげー勢いで蹴られた腹。


 確認で頭を触って手のひらを見ると、生暖かい真っ赤ななにかが着いていた。


「…痛っでぇぇえええええええ!!!!あぁぁぁぁああああああああああああああああ!!!!」



 どう…でしたか?初めての作品なので読んでいてイライラする部分もあったのかなー、と思います。一応続編も書く予定ですので、もし面白いと思ってくれたなら続編の方も楽しみにしていてください。では、またいつか会いましょう。

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