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かたまった手のひらに

作者: 夏生

かたまった手のひらに

言葉を描く

伝わるように

大きくゆっくり


懐かしい日々を

かなしかった別れを

今の気持ちを


絡まり縮まった

心をほぐすように

かたまった手のひらに

言葉を描く


ほんとうは、

と、描いて

指先が止まった

赤くなった

手のひらから

離れて

すれ違う眼差しから

離れた


窓の外から

夕焼けの歌が

割れて響いた

幼い頃が駆け抜けていく


かたまった手のひらは

最初から

かたまったままだった

無理矢理動かそうとして

引っ張っり、折り曲げて


ある日、動かなくなった


ほんとうは、

こわいんだ

描いた

心の中に

大きくゆっくり


だいじょうぶ、と

かたまった手のひらに

大きく描いて

笑った

だいじょうぶ、と

口に出して

もう一度

笑った








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