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続・千客万来

 三人の女性と入れ替わりで、本日ヘルプに入ってくれたバイトの子がやってきて、準備が整った頃に団体客がやってきた。

 それからはとてもあわただしい時間だった。


 それから数時間後、団体客と入れ替わるように、「今日って大丈夫ですか?」と、入ってきたのは、徹と梨紗子だった。

 二人とも、仕事帰りのようで、スーツを着ていた。

 徹のスーツ姿は何度か見たことがあるが、梨紗子のスーツ姿は珍しいなと店主は思った。

 梨紗子は落ち着いた色のパンツスーツを着ていたが、スタイルがいいので、ビシッと決まっていた。

「梨紗ちゃん、パンツスーツ、かっこいいね」

「あー、俺んとこに部署異動になってから、基本的に俺の仕事のサポートだけしてくれればいいから、あまり女子っぽくしてこないでって、地味にしてもらってるんだ」と、徹が答えた。

「こっちのほうが女子社員が優しく接してくれるので、それから味を占めてます!」

「今日は、仕事が押しちゃったから、ちらっとお店覗いて、まだ貸し切り中だったら、着替えてから集合しようって言ってたんだよ」と、あまりにも梨紗子のスーツを珍しがる店主に徹が言った。

「ジャージよりはずいぶんいいね」と、店主が言うと、「そんな、ジャージで出勤してるわけないじゃないですか!」と梨紗子は膨れた。


 しばらくして、再び扉が開いた。

 麗華かと思ったら、現れたのは、謹治と鉄男だった。

「やっぱり、ここで飲まないと一日が終わらない!」

 そう言いながら、いつもの定位置に収まった。

「お、梨紗ちゃん、今日はなんだかかっこいいね」と、早速目ざとく謹治が気づいて言って、徹と梨紗子が、再び今日の事情を説明していた。


 それからしばらくしたころに、再び扉が開いた。

 今度こそ、宣言通りの麗華だった。

「おー、麗華ちゃん、今日も黒づくめだね」と、謹治がご機嫌で言うと、「麗華ではなく西園寺麗華!」と麗華が言った。

「何で急にフルネームなんですか?」と、梨紗子が聞くと、よくぞ聞いてくれたと言わんばかりに「三日前に入籍したから!」と、また、左手の黒い手袋を見せた。

「麗華さん、手袋しか見えない!」

「失礼したわ、あと、西園寺麗華!」

「西園寺五文字もあって長いから麗華さんって呼ばせてよ!」と、手袋を外した麗華に梨紗子が言った。

 麗華の入籍に食いついて目を輝かせているのを見ると、梨紗子も結婚願望があるのだろうなと店主は思った。

 徹も、そんな梨紗子を温かい目で見ている。

 その時ふと、店主は、夕方に来た有希のことを思い出した。

 が、今言うのはいかがなものかなと、思っていると、「あら、そういえば」と、麗華が徹を見た。

「徹の想い人の有希さんっぽい人夕方来てたわよ」

「嘘!その頃、俺、たぶんめっちゃ仕事してた!」と、徹は頭を抱えた。

「例の、偽彼氏にプロポーズされたらしいわよ」と、麗華が言うと、「マジかー!」と、徹はもう一度、頭を抱えた。

「あの様子だと、きっと、プロポーズ、受けると思うわ。もう、諦めなさい」

「そっかー、まあ、あのイケメンなら仕方ないな」

 徹の返答はあっさりしていた。


 麗華は、恐らく結婚報告だけが目的だったようで、その後少し飲食をして、旦那が待っているからと、とっとと帰っていった。

 その日は、謹治と鉄男はすでにどこかのお店をはしごしてきた後だったらしく、閉店より前に帰っていった。

 徹と梨紗子は、真剣に仕事の話をしていた。

 二人とも、そこそこ飲んでいるはずなのに、よくそんな小難しい話ができるなと店主は感心したが、最終的には一人でほぼ一升瓶一本分の日本酒を飲んで平然としていた女性を思い出した。

 そして、有希のことを思い出した。


「徹ちゃんさ、なんだかんだ、有希ちゃんのこと、結構前にもう諦めてたんじゃない?」

 今日の様子を思い出した店主は、二人の会話が一区切りついたときに、不意に徹に話しかけた。

「あ、やっぱり、大将にはバレちゃったか」

「実は、他に本命がいるとか?」と、言いながら、実は、それは、梨紗子なんじゃないかと思いながら店主は尋ねた。

「まあ、そんなところかな?」

「え?嘘?誰?私知ってる人?」と、梨紗子は興味津々に聞いた。

「うーん、あとで言うよ」と、徹が煙に巻いた。

 梨紗子の寂しそうな何とも言えない表情を見て、店主は、きっと、梨紗子は徹のことが好きなんじゃないかなと感じた。


 やがて、二人も帰っていった。

 バイトたちは、団体客の分の片づけを終えると同時に帰していたので、店主が、最後の片づけを一人で行った。

 いつもの閉店時間よりは少し早いが、この時間から客が来ることはないかな、と思い、店主は、準備中の看板を出そうと、扉を開けた。


 目の前で、徹と梨紗子が抱き合ってキスをしていた。


 店主は、そっと扉を閉めると、心の中で、店の前でやるなよ!と叫んだ。

 一話にするには個人的に長かったので、キリのいいところでぶった切ったら、こっちはちょっと短めでバランス悪いですが、まあ、通常営業です。


 ノリと勢いで投稿してしまったので、誤字いっぱいですみませんでした!!

 紛らわしい表現になってしまいましたが、徹と梨紗子は家が近いので、ちらっとお店を見たときに、まだ貸し切りだったら、一旦着替えて集合しようって言ってたけど、もう、貸し切り営業が終了していたので、スーツのままお店に来ています。

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