父上!もううんざりです!
「疲れるのお・・・。」
アオボシから渡された教科書を見ながらバアルはだるそうに口にした。この前の二人の授業の時にアオボシが兄上は話し方をどうにかしませんとと言われその流れで教科書も押し付けられたのだ。それも算術の教科書である。面倒だと思っていると
「父上!もううんざりです!」
ゴウがそういいながら扉を開けた。ゴウも嫌気がさしていたらしい。自分も一緒だからやめるかとも言えないので
「気持ちはわかるが我慢しろ。」
感情を抑えてそういった。が、
「父上だってやっていないじゃないですか!」
「何!?わしにはアリスがおるから別にいいんじゃ!」
などと痴話げんかをしていると自分のほうが強いだなんだという話になった。そこに
「じゃあ気分転換に模擬戦でもしてきては?」
アリスが入ってきた。バアルが負けるはずがありませんけどねと言いながら転移魔法を発動する母を疑いながらゴウは魔法陣にのった。
「ゴウ、どこからでも来るがよい。」
バアルは自信満々にそう言った。模擬戦のルールは簡単で武器・魔法ありの戦闘だがバアルは指一本しか使わないというルールだ。そのルールを聞いてゴウは思った。勝ったら学園に行くのをやめさしてもらおうと。
「それでははじめ!!」
合図とともにゴウが一気に距離を詰めバアルの顔面に殴り掛かる。一瞬で七発ほど撃ち込まれていた。が、ゴウの顔が引きつった。傷一つ付いていないのである。ゴウの顔を見たバアルはにやりと笑い
「どうした?気分でも悪いか?」
とそう言った。その言葉にゴウが固いだけだろ!と言いながら魔法や体術を使い攻撃したがバアルには傷一つつかない焦ったゴウが剣で切りかかるがバアルは人差し指で受け止め
「おお中々だったぞ。じゃが・・・動かんのはもう飽きたのう・・・。」
背筋が凍った、物凄い圧にゴウは反射的に距離をとった。だがバアル動こうとせず
「デコピン・・・?」
瞬間。顔の横を衝撃が走った。ゴウは何が起きたか分からなかった。恐る恐る後ろを見るとあったはずの山はなく更地が広がっていた。
「はい。終わりですね勝者はゴウです。」
「え?」
二人の声が重なった。どちらも理解ができなかったらしい。バアルがなぜじゃ!?と言いそうになったがアリスが
「バアルは指を二本使いましたからね。」
アリスが笑いをこらえながら言うと二人とも理解したらしく何とも言えない表情になった。バアルの顔を見てアリスが吹き出すのは時間の問題だった。
模擬戦のルール的には勝ったゴウだったがヒョウとの話し合いの末真面目に勉強することになった。そうなった一番の理由はバアルの強さだった。ヒョウも見ていたらしく自分よりも強い奴は沢山いると、もしかしたら学園にもそんな奴がいるのではと思ったらしい。
「あと一週間だよゴウ。」
「もうほとんど覚えたし平気だろ。」
そんな二人の会話が終わるころにはもう日は落ちていた。
感想くださいとか言っときながら設定が違いました誠に申し訳ございません。趣味での投稿なのでよくわかんなかったりするかもしれませんが読んでくれた方々本当にありがとうございますm(__)m




