召喚と再会3
ゴウは召喚された死獣の腕をバアルが切り飛ばすのを見て思った。格が違うと。自分との格の違いを見せつけられながら思う。なぜあの人は笑っているんだと。
「バアルはあの子たちと久しぶりに遊べて嬉しいんですよ。」
少しだけ回復したアリスが言う。その言葉を聞いたゴウが驚愕の表情を見せながら呟く。
「あれで遊びだと・・・?おかしいんじゃないか?」
「そうかもしれませんね。でもあの人のあんな顔は久しぶりです。」
その時辺りに死獣の叫びが響く。それと同時にバアルのオーラがどんどん濃くなっていく。濃く大きくなっていくオーラはまるで鬼のような形をとっていく。それが消えたとき
「もういいだろ、アリスも起きたやっと皆で飯が食える。」
そう言ったバアルは何とも言えない顔をしていた。アリスの目にも涙が溜まる。
「なあオウガ・・雨龍・・。」
死獣の二体が雄たけびをあげ突っ込んでくる。がバアルは避けようとせず、刀を前に出し静かに言った。
「舞え草薙。」
クサナギの刀身が光り無数の花びらに変わる。それは一度空中へ飛び結界の天井を覆い止まる。
「千剣草薙」
バアルがそう言うと花びらが全て刀に変わり。地上へ降り注ぐ。刀の何本かはオウガと雨龍に直撃しその動きを止める。地にはりつけにされてる二人に手を当てバアルは優しく語り掛ける。
「よく頑張ったよ・・・。やっと終わるんだ。また昔みたいに皆で居れる・・・。」
バアルの体に黒い模様が浮かび上がる。その模様はどんどん広がっていった。
「邪神。俺らのガキ、返してもらうぞ。」
バアルの体の模様からオーラが湧き出る。そのオーラは二人を飲み込む。そのオーラが晴れたとき黒い色が抜けたオウガと雨龍が横たわっている。白銀の髪をした青年と、緑の髪の少女は生気のある顔をしていた。
「やっと終わったね兄さん。」
「ああ。やっとガキが皆揃ったよ。」
嬉しそうに笑ったバアルはアリスの方を見てまた笑う。それを見たアリスも笑い返す。
気づくと空はもう晴れていた。




