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激突

「来たぞーー!! スゲェ大群だ!!」


 よほど目がいいのかそれとも探知系のスキルを持っているのか知らないが一人の男がそう叫んだ。と言っても私には全くモンスターなど見えていない。


「来たみたいだぞ。メリアの命には私の命もかかってるんだからな。絶対に死ぬんじゃないぞ」

「わかってるよ、私だってこんなところで死にたくないもん。無茶なことはしないよ」


 たまたま立ち寄った街でモンスターに殺されるなんて勘弁だ。安全第一で行こう。できればモンスターも倒しておきたいけど…………ちょっとくらいならヘルに倒してもらおうかな。そうしないこんなに危険なクエストに参加しておいて参加報酬だけとか正直笑えない。どうしよう? 隙を見て軽く二人で倒そう。冒険者カードに表示されるから倒すところは誰もいてなくていいもんね。


「乱戦になったら、こっそり倒すよ、ヘル。やっぱり参加報酬だけじゃ我慢できない」

「そう来なくてはな。任せろ、私にかかれば余裕だ。そんなもの」


 取りあえず戦闘が始まっても少しの間はおとなしくしてよう。乱戦になってからが勝負だ。いかにほかの冒険者にばれないようモンスターを倒すか…………いや、別に私は普通に倒してもいいんじゃ。だって私初級魔法しか使えないし。ばれたら駄目なのはヘルだけだ。


「作戦変更、私は普通に戦うよ。ヘルは私が危なくなったら守ってね」

「ずるいぞ、自分だけ。私も戦いたいぞ」

「でもヘルは加減できるの? あんまり強いとまた変な疑いをかけられちゃうよ」

「確かに私が加減したところで一定以上の威力は出るだろうな」

「じゃあ、おとなしくしててね」


 おっと、こんなこと話している場合じゃない。私の目にも見える距離にモンスターが見えている。意外にでかいモンスターがたくさんいるんだが…………思ってたのと違う。こんなの聞いてない。


「ちょっと待ってなんか低級のモンスターばかりだと思ってたんだけど。強そうなのが逆に多い気がするよ」

「あれくらいのモンスターでビビるな。仮にも私を使役してるんだぞ、メリアは」


 そんなこと言われても…………怖いものは怖いよ。一体だけならそうでもなくてもあれだけの数がいるとなるとそりゃ怖いよ。


「行くぞー!! 俺に続け!!」

「「「「おおーーーーー!!」」」」


 さっきのAランク冒険者の掛け声とともに冒険者たちがモンスターに向かって進撃を始めた。


「私たちも行こう」

「よし、任せろ」


 私たちも冒険者たちの少し後を追いかけ、突撃した。


「うおおおおお!!」


 先陣を切って突っ込んだAランク冒険者が次々とモンスターを薙ぎ払っている。確かパーティ名は赤き紅の魔槍だったっけ? その名の通り赤い槍をもって戦っている。と言うことはあの人がリーダーなのかな。


「フッ、他愛もない」


 あれ? あっちの人も赤い槍持ってる。あっちの人もだ。と言うことは全員が赤い槍を使ってるパーティってこと? 全員が前衛のパーティってどうなんだろうか? でも強さは本物のようでまったく苦戦している様子もない。


「くそ、雑魚ばっかりだからあんな雑魚冒険者にかられまくってるじゃないか。こうしてはいられないぞ、メリア。この調子ではあいつらにほとんど持ってかれてしまう」

「私は初級魔法しか使えないんだよ。どうしろっていうの?」

「気にするな。メリアの魔力ならかなりの威力がでるだろ。打ちまくればいいんだ」


 威力は出るけど…………気にしなくてもいいか。適当に打ちまくればきっと何体か倒せるよね。


「ファイア! ファイア! ファイアァァーー!!」


 ドンッ!! ドンっ!!ドーーーン!!

 

  ヘルに言われるがまま、炎系魔法最弱のファイアを連発した。すると、大きな音を立てて私の魔法がモンスターの大群に炸裂する。


「なんだなんだこの魔法。うちの街にこんな威力の魔法使える冒険者なんていたのか?」

「おい見ろ。どんどんモンスターが減っていくぞ」


 軽い騒ぎになってしまった。私はファイアを打っただけなんだけど。そりゃ普通の人の打つファイアよりは威力は上だと思うけどそれほど驚くことでもないような…………。それよりも本当にモンスターたちが私の魔法でやられて行っている。数に騙されてた。一体一体はヘルの言う通り全然大したことない。


「その調子だ、メリア。やはりお前は私を使役してるだけはあるな。とてもファイアとは思えん」

「そうなの? 私ほかの人が魔法使うのほとんど見たことなくて」

「今の魔法がファイアと言っても誰も信じてくれないだろうな」


 そんなに!? これは私はダンジョンなんかに潜ってばかりじゃなくて真面目にクエストをしてたら、もっとランク上がてったんじゃ? 


「やるな、君」

「なかなかに豪快な魔法だったぞ」

「我には及ばずともかなりの才能だ」


 気が付けば私とヘルの周りに赤き紅の魔槍の三人が集まってきていた。


「ありがとうございます。ダンジョンにこもって修行した甲斐がありました」

「そうなのか、この調子で頼む。これならここでこいつらを食い止めれそうだ」


 それだけ言うと、三人ともまた突っ込んでいってしまった。フッ、私はこれでダンジョンで修行したことになる。これでもうただの頑張った子のはずだ。


「グハッ!!」


 さっきの人の悲鳴が聞こえた。


「こんな雑魚に苦戦してたのですか? もっとまともに働きなさい、お前たち」


 なんかすごいボス的な奴が出てきたんだけど…………。

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